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私たちが必ず「産地」を語り、ジュエリーを届けている理由

「真珠の名産地は?」と聞かれて、すぐに地名が思い浮かぶ人はどれぐらいいるでしょう?実は真珠って、日本のどこで養殖されたものなのか、地名まで詳しく産地を語ることが少ない宝石なんです。「国産」と謳われることは珍しくないので、日本国内で真珠が養殖されているイメージはあっても、それがどのあたりなのか?と聞かれると、地方を絞るのも難しいかもしれません。

これまで詳しい産地が語られてこなかったのは、パールジュエリーの様式美に理由があります。

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一連のネックレスが真珠の象徴とされてきたので、お客様にとって価値の高いジュエリーをつくるためには、産地よりも、真珠の色や大きさ、形、輝りなどの統一感を重要視する必要がありました。
様々な生産者から買い付けをして、集まった大量の真珠を混ぜて厳選するので、一粒ずつの産地を特定することができなくなってしまうのです。「国産」とは言えても、地域まで語ることは難しい。こういった背景により、真珠は産地を連想されにくい宝石になりました。

SEVEN THREE.だからこそ伝えられる、
真珠の魅力を届けるために

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私たちは、産地を語ってこなかったのが悪いことだとは決して思いません。
パールジュエリーの市場価値を高めることは、生産者や職人たちの生活を守り、潤沢な資金を業界内に巡らせるということ。真珠の養殖が始まってから長い年月、大手企業・ブランドの皆さんの努力があったからこそ、今では「真珠」を知らない人がいません。

けれど一方で、伊勢志摩を観光で訪れてくれた方々から「伊勢志摩産の真珠が欲しかった」という声を聞くことも、数多くありました。

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伊勢志摩は、2000年以上も前から日本人が崇め、聖なる場所として大切にしてきた伊勢神宮の町。そして、世界で初めて真珠の養殖に成功したゆかりの地なので、パワーを感じられる縁起物として「伊勢志摩産の真珠が欲しい」と言ってくださる方がとても多かったんです。

ジュエリーの製作背景ゆえに”その土地の真珠”と出会えない寂しさについては、私たちがアプローチできることだと思っています。大手のように大量に商品展開をする必要がなく、真珠を直接生産者さんから仕入れているからこそ、作り手や場所に紐づくジュエリーを届けられる。

DSC02197 のコピー

私たちが取り扱うのは基本的に「伊勢志摩産のあこや真珠」ですが、他県の真珠をプロデュースさせていただくときも、必ず詳細な産地をお伝えしていきます。

真珠を通して、伊勢志摩(生産地)に親しみを感じていただきたいという思いはもちろん、背景をていねいに伝えることで、生産者さんの支援に繋がることを願っています。

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」
目標14「海の豊かさを守ろう」

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金魚真珠のように、SEVEN THREE.がジュエリーにしているのは主に、これまで長い年月をかけて育ててきても、流通に乗せることが出来ずにいた真珠たちです。

私たちは、持続可能な資源を使って1から新しいものを作るのではなく、今まで着目されてこなかった資源・真珠に新しい価値を見いだす方法で、産業と環境を守っていきたい。

バロックパールに新たな価値を見つけることは、持続的な開発目標として世界的に掲げられている『SDGs』にも繋がることです。

具体的には、持続可能な生産消費形態を確保するための目標12「つくる責任 つかう責任」について、色や形を真珠の個性として親しみ、一点もののジュエリーとして新たな魅力を届けること。パーツに錆びにくく長く日常使いができる18金を使用することで、アプローチしています。

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海と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用するための目標14「海の豊かさを守ろう」についても、長い年をかけて母貝が育ててきた真珠を、ひとつでも多く市場に出すことがその一歩になると考えています。

2019年からあこや貝の大量死が続いていて、真珠を育てられる母貝自体がとても貴重な存在になっています。

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産地・産業の発展としてだけでなく、生き物たちの尊厳を守るためにも、私たちにできることをこれからも積極的に取り組んでいきたいと思います。


Voice:尾崎ななみ
Writing:ほしゆき(SEVEN THREE.PR)

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