SONY BCL-2nd

BCLブームはどんなに凄かったでしょうか。
それは、次のような現象を引き起こしたと言えば、理解できると思います。
ラジオオーストラリアの日本語放送は、日本で受信できる日本語放送の中でも、最良の状態で受信できるものでした。

というのも、子午線の南と北というシンプルな位置関係のおかげで、電波が強力に飛んでくれるのです。しかも、スタッフに日本人も多く、オーストラリンポップスを必ず流してくれていました。
このころ、シュガーベイビーラブというヒット曲が生まれ、日本でいち早く聞けるのがラジオオーストラリアというので聴取率も上がったとか。

して、本題はベリカードです。正式には、ベリフィケイションカード。
Verification Card のこと。日本語での名称は「受信確認証」
要は、聴取した放送内容を、放送したと思われる局に、「私は、これこれの内容の放送を、何月何日何時ごろ周波数XXX,Xmhzで受信しました。
受信のSINPOは、53433です。」と書いて、放送局に送ります。
すると、「あなたのお聴きになった放送は確かに私どもが放送したものであることを証明します。」=受信確認証を発行してくれたのです。

このベリカードは、綺麗なものが多く、多くの蒐集家を生みました。
そして、オーストラリアは聞きやすく返信も早いので人気が有り、一時期、報告書が殺到しすぎて、受付を中止したことが有ったのです。
その理由は、人手が足りないというものあったでしょうが、財政的なものだったのです。

初期のBCLの方なら当たり前のマナーとして、返信の住所を書き込んだ封筒を入れ、さらに送って貰うための国内なら郵便切手に相当するIRCというものを数枚入れておいたものなんです。
IRCとはInternational Reply Coupon (=国際返信切手券)と呼ばれるもので、一枚で当時の金額にして90円、先方が現地の事業所で原則として手紙(航空便)の基本料金分の現地切手と交換できます。嵩張ったり重量が有れば、数枚必要になります。

洪水のように押し寄せる報告書の中には、とても質が悪く「ベリカードくれ」なんて言うのもあったそうです。何しろ多すぎて返信の費用がかかりすぎるからというのが理由でした。局の運営費用を食い尽くすほどの量とはいったいどのくらいの量だったんでしょうね。

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