花散らし
風が強いと、いろいろと困ったことが起きますね。
ビルの足場が崩れるとか、クレーンが倒れて道を塞ぐなど、時には人命にもかかわる事故さえ引き起こします。
先日の強風の日もなんとまあというほど、道路にはごみが散乱していました。どんなに綺麗にしていても、自然の猛威がひとたび力を発揮すると、街の様相は一変してしまいます。
そんな中、街の植栽の中でもツツジは群落となって、あるいは、生垣でちょうど花が咲き誇っています。まさに懸崖もかくやといえるような多くの花が互いに自己主張しています。
こんなにも多くの花が散らされても、なお力強く咲き続けるところに、生命の底力を実感します。この日は、この写真だけでなく、街のいたるところでこのような光景に出くわしました。
花は散ってしまえばもう終わりだと思っていましたが、このように多くの花が風に巻き込まれて一か所に吹き寄せられるのは、これも「妙」の評価を与えてよいと思います。
ひたち海浜公園のネモフィラは、人の手によってあの大群落で見る者を圧倒します。ここの影響を受けて、大面積に大量の同一の花を咲かせることは、確かに今でいう「映え」なんでしょうね。
でも、もう一歩進んで考えてみましょう。大群落を構成している花々たちも花期が終われば、刈り取られてしまう運命です。そういう使い捨て文化のままで良いのでしょうか。
枯れる前に刈り取られる草花っていったいどんな星の下に生まれたのでしょう。少なくとも、種子を残して、葉っぱだけでも青々とした世界に生きさせてやって欲しいものです。
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