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牛乳パック以前
宅配と言えば新聞と牛乳が双璧でしたが、牛乳は紙パックで1リットルの製品が出てきて、宅配は地味な存在になりました。
とはいえ、未だ頑張っている販売店も多くあり、付加的な商品をラインアップに加えて、商業的にもそこそこの成果を上げている店もかなりあるようです。
ただ、1リットルの牛乳瓶が市場で見られなくなったのは、これはもう時の流れとしか言って見ようが有りません。
これだけの量になると、ビン自体も厚く重くなります。取り扱っている食品スーパーも少ないことから、販売量が低下するのは、誰でも予測できていたでしょう。
でも、最初に1リットルの牛乳瓶を見たときは、その形と重さに驚いたものです。牛乳大好き一家だったら、その瓶の置き場だけでもかなりの場所を取ってしまうことでしょう。
そう言った面で、紙パックの大容量は、場所も取らず容器自体は軽くて、とても扱いやすいものになっています。
そして、忘れてならないのが、学校を主体に配られたテトラパックです。
(テトラパックは登録商標です。写真は、Wikipedia出典)
名前の通り、四面体のコンパクトな形状は、積み重ねても収まりが良く、それでいて180mlの容量が有ったので、大量に流通させるには好都合でしたが、宅配ボックスに入れるには不適な形状でしたので、相変わらず瓶での配達でした。
早朝、この瓶のぶつかり合う音が、バイクの音とともに町中を移動していくのが、朝を告げる行事でもありました。
今では、牛乳販売店の担当エリアが狭く少なくなってしまい、あの「カチャァチャ」を聞くこと自体、無くなってしまいました。
それだけに、テレビで町の牛乳販売店のニュースが流れていたりすると、心はいきなり子供時代にタイムスリップしてしまいます。
この早暁の静けさに響くカチャカチャ音が、近づきまた遠ざかっていくうちに、再び微睡んでいる自分の時間が、たまらなく好きでした。
ノスタルジー。
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