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ぼんやりとした記憶

何十年も人間でいると、記憶体験は山のように有るのに、それらをすべて思い出すことはおろか、下手をすると直近のことさえ他人に指摘されて「あぁそうだった。」なんてことになりかねません。

そこで、かなり強力な記憶方法をお教えしましょう。
幸いにして、人間の体には、いろいろな名称がついていますので、それを利用するのです。

例えば、高齢になると認知症の検査で、一週間分の献立を思い出すというものが有ります。朝は習慣化している人が結構多いと思いますので比較的楽に思い出せるでしょうが、問題は昼食と夜食です。

ただ、昼食については、サラリーマンなら近所の定食屋で済ますことが多いので、どこの店に行ったかの記憶を呼び起こせば、何とか思い出すことができるでしょう。

最大の難関は、毎晩妻が作ってくれる夜食です。
愛情にあふれた料理は、意外にどんな名前だったか覚えていません。
カレーやシチューの場合は、その副菜はなんでしたでしょうか。

焼き魚の場合は、魚の種類は?塩焼き?粕漬け?
肉の場合は、牛?豚?鶏?鹿? などなどの食材を、焼く・蒸す・煮つけるなどの調理をしていたのか、思い出すんですから、それはかなり大変なことです。

そこで、体の各部位を最大限利用しようというのです。
まず、両手の指を使います。一日目の夜食は、ハッシュドビーフにシーザーサラダとオニオンスープとしましょう。

左手の人差し指の第一関節にハッシュドビーフを関連付けます。人差し指の第二関節にシーザーサラダを関連付けます。人差し指の第三関節にオニオンスープを関連付けましょう。

この作業は、「そんなの無理だよ。」と言っている人でも、まずはやってみてください。最初は一日分だけで良いのです。慣れてきたら、二日目の分は中指に割り当てを行います。

三日目は薬指、四日目は小指です。五日目は、今度は右手の小指を使いましょう。六日目は右手の薬指です。七日目は右手の中指です。
これは、何も毎週やる必要はありません。最初の一週間分を、繰り返し記憶を巻き戻してみるのです。

もし、途中で忘れたら、リセットして今週の夜食で同じことやってみるのです。「なに、つまんないことやってんだか!」と思う向きもあるでしょう。
当然の反応ではあります。

しかし、これは実は記憶の回路付の訓練になっています。この訓練が上手にできるようになると、あなたは記憶の方法について、新しい体験をしたことになり、自分の記憶容量が上がったことを実感できるはずです。

そして、もっと驚くのが、記憶のイメージがより鮮明になってくることです。鮮明になれば、それだけ生の記憶を呼び起こせますので、説明するときの説得力がいや増しています。

すると、会議の席での発言に凄みが感じられるようになってきます。
もうお分かりですね。基本は大したことはないのですが、記憶のすそ野が広がったときのパワーを、体感すれば自分で自分の実力に驚きます。

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