「幸せにできる対象が増えた」TesTeeの参画を経て、1年後に両社に生まれたポジティブな変化
「本当にやりたいことにチャレンジできない」
このような悩みを抱える経営者は多いのではないでしょうか。さまざまな制約があるなかで、売り上げや市場への価値に意識が囚われ、自分の人生と正面から向き合うことを後回しにしてしまう。株式会社SevenRichAccounting(以下:セブンリッチ)はそんな経営者をサポートするため、積極的にM&Aを行っています。
今回インタビューしたのは、2021年1月21日セブンリッチにグループインすることとなった株式会社TesTee(以下:TesTee)TesTee代表・横江と、セブンリッチ代表・服部。TesTeeの参画から約1年で両社に生まれたポジティブな変化をご紹介します。
服部 峻介(はっとり しゅんすけ)SevenRichAccounting代表
1983年生まれ、北海道出身。北海道大学経済学部卒業。2005年、公認会計士2次試験合格。2006年、有限責任監査法人トーマツ入所。2010年、トーマツを退職し、経営コンサルティング会社に参画。2011年、Seven Rich会計事務所、株式会社Seven Rich Accountingを創業。
横江 優希(よこえ ゆうき)TesTee代表
1990年1月生まれ、千葉県出身。2014年一橋大学商学部を卒業。大学在学中にマクロミルの新規事業部にてフロントエンジニア・ディレクター従事。2012年にスマートフォンアプリ制作会社の設立を経て、2014年5月に株式会社TesTeeを設立。アンケートアプリの開発・運営、チャットツールの開発・運営、スマホアプリに特化したリサーチの運用、企業の商品開発やマーケティングを行う。
セブンリッチへの参画でさまざまな制約から解放された
——TesTeeがセブンリッチにグループインしたきっかけを教えてください。
横江:理由は大きく2つあります。まず、セブンリッチには長年お世話になっており、信頼が出来上がっていた点です。服部さんと近い距離でご一緒できることが単純にうれしかったです。
次に、TesTeeが提供するマーケティング事業は掛け算相手によってさまざまな価値提供ができると考えた点です。そのなかでも、セブンリッチグループには幅広い事業が存在し、TesTeeがジョインすることで、セブンリッチ・TesTeeともに「これからできること」の可能性が大きくなると感じていました。
服部:以前noteにも書かせていただいた通り、セブンリッチとしても「スタートアップ支援の拡充・D2C事業におけるシナジー創出を目的にグループ会社化」というワンフレーズだけでは説明しきれない思いがありました。
服部:前回のお話と別の視点でグループインのきっかけを挙げるとすれば、セブンリッチが横江くん個人を活かすことができるのではないか、と考えたことが大きいですね。
経営者にはさまざまな制約があります。時間の制約・お金の制約・事業の制約などに囚われて、本当にチャレンジしたいことへ一歩踏み出せないことも多い。僕自身、制約のある人を解放してあげたいという思いが強く、TesTeeのグループインを経て横江くんを解放したい、もっというと「やりたいことを自由な環境の中でとことん突き詰めていってほしい」という気持ちがありました。
——横江さん自身は、経営者としての「制約」は感じていましたか?
横江:正直すごく感じていました。服部さんのおっしゃるように、さまざまな制約のなかで前に進めないことも多かったです。
服部:会社のトップになると、非常に多くの制約や重圧があります。人によってはそのなかで最大限にパフォーマンスやバリューを発揮できない場合もあるでしょう。しかし、環境を変えれば上手くパフォーマンスを発揮できたり、制約を取っ払うことでいいものを生み出せたりすることも意外と多い。
セブンリッチグループでは領域を絞る必要もなく、何にチャレンジしてもいい。このような組織体なので、入ってくれた人や会社に対して制約を取っ払える環境を用意できると考えています。
大きな変化は、事業を通して「幸せにできる対象」が増えたこと
——TesTeeがセブンリッチにグループインしてから約1年が経過します。実感している変化はありますか?
横江:大きな変化は事業を通して「幸せにできる対象」が増えたことです。
セブンリッチグループに入ってTesTeeの売り上げが伸びることは、グループ全体の利益が上がることにつながります。TesTeeの経験を価値としてさまざまな事業部に展開できれば、幸せにできる人が増えますよね。幸せにできる対象が増えることは事業へのモチベーションにもつながる大きな変化だと感じました。
また、TesTeeはリサーチ・マーケティングを強みとする会社であるため、ユーザーや影響を及ぼす範囲が少し先にある感覚でした。一方セブンリッチには、店舗を持っていたり、お客さんと対面出来たりする「手触り感」のある事業が多い。そういった事業が「自社事業」となることには新鮮さがありましたし、「幸せにできる人がたしかに目の前にいるのだ」と実感するキッカケにもなりました。
——セブンリッチ側として実感している変化はありますか?
服部:1つは単純に、グループとしての視野が広がったことです。横江くんの言うように、TesTeeがグループインしたことで幸せにできる対象が増えるたのはセブンリッチとしても同様です。「誰のために」をもう一度考え直す機会ができ、各事業に関わるメンバーが、自分の事業に対する解像度を高めることができたのではないでしょうか。
次にTesTee社自体の彩りが増えたように感じます。これは、グループインすることによって提供できる事業や経験が増えたこと、TesTeeの人たちがセブンリッチグループに目を向けてくれるようになったことがもたらした変化です。
トップである横江くん自身が変わったことで、TesTee全体が変化しているのだと思います。
——なるほど。セブンリッチグループに参画したことは、横江さんだけでなくTesTee全体にも変化を与えたのですね。
横江:そうですね。トップのやる気が高まれば会社全体の士気が高まるのは自然なことです。
さまざまな事業に触れる面白みもありますが、グループインによって関わる人間が増えることで、僕自身のモチベーションは高まり、それがメンバーにも伝播している実感があります。グループイン後に業績が向上しているのも、会社全体の士気が高まった影響が大きいのではないでしょうか。
——多種多様な事業、メンバーに触れることでモチベーションが高まったのはなぜなのでしょうか。
横江:TesTeeは今までずっと単一事業でしたし、ある程度の外部資本が入っているため、当然立ち上げ当初に比べると自由度も低くなっていっていました。
今回のセブンリッチグループへの参画で新しいことができるようになり、他の事業を展開しているメンバーとも関われるようになりました。一気に視野が広がったこともあり、メンバーのモチベーションも高まったのだと思います。
セブンリッチグループに入ってからメンバーに「いろいろなことに挑戦できるから、もう転職する必要はないです」と言われたときは、素直に感動しましたね。
会社としても経営者としても良い影響を与えあえる関係
——セブンリッチグループにジョインすることで得たメリットを教えてください。
横江:繰り返しになりますが、一番のメリットは制約から自由になったこと。服部さんは解放という言葉を使っていましたが、TesTeeにとっては「圧倒的な視野の広がりを得た」という感覚でした。
服部:セブンリッチグループには、M&Aをさまざまな立場で経験してきた人がいます。「買う側」「売る側」はもちろん、M&Aを「サポートする側」を経験してきた人、今もセブンリッチの一事業としてM&Aサポートを担当しているメンバーも在籍しています。
会社のトップは相談できる相手が少なく、M&Aを進めるなかで損をするケースもあります。従来の事業だけではなくさまざまな事業に挑戦したいTesTeeと、制約を抱える人を解放したい思いがあり、M&Aに強みを持つセブンリッチ。双方にとってメリットが大きかったと思います。
——セブンリッチとしてTesTee参画によって得たメリットはありますか?
服部:大きなメリットは3つあります。まず、マーケティングに関して相談できる存在ができた点。グループ全体として頼れる存在ができたのは大きなメリットだと思います。
次に、TesTeeが参画したことでセブンリッチグループ全体の厚みが増した点です。TesTeeはすごく良い組織なので、グループインすることで組織やチームの良さが伝播していると感じます。
最後に、経営者として信頼できる存在の横江くんが入ってくれた点。僕自身も横江くんに相談できることがたくさんあることや、何よりしっかり結果を出してくれるので会社としてのメリットも大きいです。セブンリッチはTesTeeから良い影響をたくさん受けているように感じます。
——なるほど。TesTeeから見てセブンリッチに良い影響を受けたポイントはありますか?
横江:セブンリッチグループがフィットネス事業を展開していることや、服部さんが健康を重視されることもあり、TesTeeメンバーの健康志向がすごく高まりましたね(笑)。
他にも、キャリアをきちんと考えるメンバーが増えたり、社会貢献への意識が全体的に広がったり……。今まで30人規模だった組織が、今では100人規模の組織に所属しているので、僕にとっても他のメンバーにとっても良い影響ばかりだと思います。
経営者が良い人生を歩むために必要な環境を全部提供したい
——グループインを経てTesTeeにとって強みになった点はどこでしょうか。
横江:ベンチャー企業全般に言えることかもしれませんが、グループイン前のTesTeeは基本的にコーポレート部門に弱みがありました。セブンリッチには、会計・人事を始めとするバックオフィスの体制がしっかりと構築されているため、グループインすることで会社の「守り」の部分が強くなったと感じます。
服部:あとは、社内からの理解が得られればお金の心配が一切いらないことも強みなんじゃないでしょうか。
横江:おっしゃる通りです。予算の部分でなかなか折り合いがつかず一歩踏み出せないことが多かったので、お金の心配が不要になったことも大きな強みですね。
——というと?
横江:当然の話ではありますが、100%自己資本で運営されていない限り、会社のお金を、何の制限もなく自由に使うことはできません。経営者の予算承認フローが必要になるだけでなく、そこに至るまでの調整がたくさんあります。
「じゃあ、調整すればいいじゃん」と言われればその通りです。でも、僕はその調整過程を経ることで攻めの気持ちが少しずつなくなっていく副作用があると思っています。
たとえばTesTeeでは11月末に初めてテレビCMを放映したのですが、以前であれば、テレビCMを打つことでの費用対効果はこうだ、ユーザー数の増加はこうだ……と、予算の承認を得るために細かな調整をする必要がありました。
一方で今は、「今期は攻めたい。だからCMを流したい」とすぐに意思決定できる。つまり、もっとも熱量が高い状態のまま実行に移せるといういうことです。グループインすることで、「予算への心配」が少なくなったのは、非常にポジティブな影響をもたらしていると考えています。
▲TesTee初のテレビCM「powl TVCM お買い物編」
——最後に、セブンリッチグループだからこそ提供できる価値について教えてください。
服部:セブンリッチグループは、関わる人の「幸せの総量」を増やし続ける組織でありたいと思っています。幸せの総量とは、「事業数・範囲・人」などの面と「時間軸」を掛け合わせた、体積のイメージです。
いろんな事業を行い、関わる人の範囲や数を広げていく。それらに「その瞬間だけ」取り組むのではなく、長い時間軸をかけてやっていく。そうすることで、目の前の人の幸せの総量は増加していくはずです。
そして、より具体的な部分に踏み込むと、セブンリッチは経営者にとって必要な環境を、全部提供していきたい。今のセブンリッチに足りないものがあるのなら、その人と一緒に作っていきたいし、経営者が生きたい人生を一緒に考えて、伴走できる存在でありたいと考えています。
もちろん、綺麗ごとだけを並べるのではなく、具体的な解決策を考え、結果を出すところまで一緒に走れる点は、自社でもさまざまな事業を行っているセブンリッチだからこそ生み出せるメリットです。
まとめると、「経営者が自分の人生ときちんと向き合える」環境を提供できるのが、セブンリッチグループの価値です。セブンリッチには会社の売り上げや市場へのインパクトについてだけでなく、「いい人生にしていきたいよね」と話し合えるメンバーがたくさんいます。これからも、より個人にフォーカスした中長期的な解決策を考えながら、やりたいことができる環境を提供します。
TesTeeの参画をきっかけに、セブンリッチの思いに共感する人たちとつながれたら、これほどうれしいことはありません。
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セブンリッチグループでは、今後も積極的M&Aを推進してまいります。本件に関して、知りたいこと、気になることがあれば、お気軽にお問い合わせ・ご連絡ください。