猟や自給自足の現場から考える親の生き方強制の是と非。物語はもう一つの高みへと自然と動き出す…★劇評★【舞台=モモンバのくくり罠(2023)】
子どもは親の敷いたレールの上をどこまで歩かなくてはならないのか。それがもしもけもの道であったなら? ここ3、4年の間に急激に議論が沸騰してきた宗教二世問題、親ガチャ論争、毒親問題、親子の共依存など親と子をめぐるはてしないせめぎあい。絶対的拒否、反発までいかなくても心理的な距離は決して一定のレベルにとどまってはいない。夫婦や恋人同士でさえ価値観を強制できない時代にあって、親と子はきずなやぬくもりだけで結び付きあえるのか。普遍的なこの問題を自然への回帰ブームから近年関心が高まってきた猟や自給自足の問題から考えようという、あっと驚く挑戦をしているのが、公演ごとに役者を集めて自作を展開させる劇作家・演出家の横山拓也が率いて問題作、野心作を連発している演劇ユニット「iaku(いあく)」の最新新作舞台「モモンバのくくり罠」だ。終演後早く自分の意見や感想を言いたくてしかたない観客たちで劇場は少しざわざわした余韻が残っていた。iakuの最新作が放つのは普遍性による議論の喚起力だけではなく、物語自体がもうひとつの高みへと昇ろうと自然と動き出す展開を見せていたからだ。(写真は舞台「モモンバのくくり罠(2023)」とは関係ありません。単なるイメージです)
舞台「モモンバのくくり罠」は、2023年12月8~10日に大阪市のABCホールで上演される。それに先立って11月24日~12月4日に東京・三軒茶屋のシアタートラムで上演された東京公演はすべて終了しています。
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されています。
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★舞台「モモンバのくくり罠」公演情報
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