【News:速報=「24」復活に向け「活発な創造的議論」とFOXエンターテイメント社長が明言(2021)】

 テロリストたちとの24時間の闘いをリアルタイムで描き、世界的な大ヒットシリーズとなった海外ドラマの決定版「24 -TWENTY FOUR- 」の制作サイドの幹部であるFOXエンターテイメントのマイケル・ソーン(Michael Thorn)社長がこのほど、キーファー・サザーランド(Kiefer Sutherland)が主演する「24 -TWENTY FOUR- 」を新しいかたちで復活させることについてFOX社内やプロデューサーとの間で「活発な創造的議論」が行われていることを明らかにしたことが分かった。ソーン社長は「何らかのかたちでカムバックさせる可能性がまだある(There’s still a possibility,)」と幾分控えめな表現を用いたが、「まだ聞いていないテイク(テイストやストーリーなどの企画案)についてプロデューサーとの話し合いが残っている(There’s still some discussions with the producers on a take that we have yet to hear,)」と語り、さまざまな企画案について議論を進めていることを明言した。一時は絶望視された「24 -TWENTY FOUR- 」の復活をめぐっては、昨年1月、サザーランドが復帰した本来のかたちで続編が制作される可能性が高まり、発表間近とも言われたが、2月ごろからの新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によってスタジオでの撮影やロケーションが出来なくなったことから最終的な話し合いが停滞。それでも8月にはシリーズの続行について最も消極的とみられていたサザーランド自身がシリーズの再開と復帰を強く望んでいることを明言。映画やドラマの撮影も徐々に再開し、今年になって、シリーズの製作総指揮を務めてきたハワード・ゴードン(Howard Gordon)も「(復活に向けた)話し合いは常にしている」と認めるなど、機運が盛り上がって来ていた。今回の発言を「可能性はわずかだが残っている」と後ろ向きな趣旨と受け取る向きもあり、復活・復帰に向けた情勢はまだまだ流動的だが、サザーランドやゴードンを含めたFOXグループとの話し合いが最終段階に入っている可能性もある。「24 -TWENTY FOUR- 」の新シーズンについてはことごとく速報してきた当ブログもさまざまな情報源と連携して、ウォッチ体制を強化する方針だ。(画像は「24 -TWENTY FOUR- 」とは関係ありません。イメージです)

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★「24:Live Another Day」の一場面=gettyimages

★キーファー・サザーランド(2014年撮影)=gettyimages

★DeadlineNews

 「Deadline」は最近のゴードンの発言も伝えており、「すべてのピースが一緒になると思うまでは、公式なものではない」とあいまいな情報に一喜一憂することを戒めている。

 「24 -TWENTY FOUR- 」をめぐっては、2014年にシーズン9にあたる「24 リブ・アナザー・デイ」が放送されて以降、主人公ジャック・バウアー抜きの正統なスピンオフとして制作された「24 -TWENTY FOUR- レガシー」が放送されたが、シーズン1だけで打ち切りになることが決定。一昨年までにバウアーの若き日を描くシリーズや、「24-TWENTY FOUR-」のリアルタイムシフト(1時間を1時間のドラマで描くフォーマット)を活かした法廷サスペンスものなどが企画されたが、いずれも中止に追い込まれている。
 昨年に入って、当時の「20世紀FOXテレビ」(昨年8月に20thテレビジョンと合併し、現在は「20th テレビジョン」)を中心にして、2018年から米国で放送されているドラマ「レジデント 型破りな天才研修医」を手掛けるトッド・ハーサンを製作総指揮に加えての新たなシーズン制作の動きがあることが表面化。オリジナル版を手掛けたゴードンや米FOXエンターテイメントのソーン社長ら関係者も企画があることを大筋で認めるなど、シリーズ再開に向けた気運が高まっていた。
 ゴードンは今年1月にシリーズ再開への動きが報道された際に、「2カ月以内に何らかの発表をする可能性」さえ示唆したが、その後新型コロナウイルスの感染が急拡大。米国は一時、世界最大の感染者数、死者数を出す国になるなど深刻な状態に陥ったため、ドラマの撮影も軒並みストップ。放送スケジュールも大幅に乱れた。

★キーファー・サザーランド(2020年撮影)=gettyimages

 「24 -TWENTY FOUR- 」の続編がその余波を受けたかどうかは不明だが、そんな暗いムードを吹き飛ばしたのが、サザーランドのシリーズ再開や自身の復帰を熱望する昨年8月の発言。米ピープル誌やフォーブス誌でのインタビューに対して、「長いこと映画化を望んできたけど、実現できていない」とシリーズ進行中からサザーランド自身も関わって来た映画化が何度も挫折していることを苦々しく振り返り「正直に言うと、僕にとって『24』の新作のフォーマットよりも物語のクオリティーの方が重要なんだ。2時間で伝えられる素晴らしい物語を誰かが思いつけば、映画にするけど、24時間になりうる素晴らしい物語なら、テレビ番組にするよ」と、プロットやシナリオなど物語の内容やアイデア次第で映画やドラマなどのフォーマット(発出形式)を決めればいいという考えを示した。
 「24 -TWENTY FOUR- 」は「贈り物だった」と自分にとってとてつもない喜びをもたらしたものであることを強調。「俳優として『24-TWENTY FOUR-』は今まで体験した最もダイナミックな経験の1つであり続けている」と語った。テレビ界にとっても「テレビ業界の革命に寄与し、視聴者が一気見したくなるような質の高いドラマへの需要が高まった」と分析し、大絶賛している。
 「一人のキャラクターが、あれほど短時間でそういったハイとローを経験できたなんて贈り物だ。そんなことができる設定なんて他にあまりないし、それが、とても楽しく、挑戦的で、エキサイティングなんだ」と栄光から絶望までが一人のキャラクターの中で表現できる「24 -TWENTY FOUR- 」のアイデアの素晴らしさを指摘した。さらに「9ものシーズンがあり、成功した作品としての位置を確立している。だから、それにダメージを与えるようなことはしたくないというのが難しい点だ」と、新しいアイデアがそれらの実績を台無しにしないようにしなければならない点を新作の注意点として挙げた。

 サザーランドは「24:Live Another Day」終了後、いったんはバウアー役への意欲を失い、復帰に否定的な発言を繰り返した時期があったが、数年前から否定的な発言を封印する方向に転じた。FOX側の昨年以降の動きも、これまでエグゼクティブ・プロデューサーも務めてきたサザーランドへの事前打診なしでは考えられないことから、今回も既に企画の共同作業に加わっている可能性もある。少なくともゴードンとは頻繁に話し合っているはずだ。
 サザーランドは「24:Live Another Day」の直前に出演したドラマ「TOUCH/タッチ」や、プロデューサーとして加わった「24 -TWENTY FOUR- レガシー」と同時期に出演したドラマ「サバイバー:宿命の大統領」、誤った情報や監視・行動操作によって民主主義が危機に瀕している世界で民間スパイを演じるタイトル未定のドラマなど良質な作品に恵まれており、俳優としては順調だが、その俳優としての知名度を不動のものとした「24 -TWENTY FOUR- 」に再び目が向いているのは確かなことだろう。
 ファンにとっても、既に続編を6年も待たされているわけで、さまざまな「その後」が気になるところ。ジャック・バウアーは劇中ではロシアに連れていかれているため、ロシアの刑務所でいじめ抜かれているはず。どのような形でまた最前線に戻って来るのかも肝になって来る。
 そのバウアーが登場するのは当然としても、メアリー・リン・ライスカブ演じる情報戦の相棒であるクロエ・オブライエンが登場するのかや、はたまた、シーズン5で死んだと思われていたのが、シーズン7ではバウアーらの敵となり最後には拘束。ショートストーリーの「独房から」で脱獄に成功し、「24 -TWENTY FOUR- レガシー」では犯罪の痕跡を消す「掃除屋」として登場するなど変転の多いバウアーのかつての盟友トニー・アルメイダがストーリーの中心に戻って来るのかも知りたいところだ。


 「24-TWENTY FOUR-」は、2001年に米国で放送がスタート。大統領直轄のテロ対策組織として設置されたテロ対策ユニット(CTU)の敏腕捜査官ジャック・バウアーが、米国陸軍特殊部隊デルタ・フォースなどで身につけた数々の戦闘能力をフルに活用して、大統領や大統領候補、外国要人の暗殺、核兵器強奪や核爆発による混乱を狙うテロリストなどの攻撃を知力体力を駆使して阻止する物語。米国をはじめ日本など世界中で人気が爆発し、日本語字幕付けや吹き替えのために1年以上も待たされる日本では各シーズンのレンタル開始日前夜からTSUTAYAなどのショップに長蛇の列ができるなど特に熱狂的なファンを生んだ。
 シーズン8放送中の2010年にテレビシリーズの打ち切りが発表されたが、その後、以前からサザーランド自身もインタビューなどで言及していた映画化が暗礁に乗り上げ、再びシリーズ復活が急浮上。2013年5月に制作元のFOXがシリーズの継続と最新シリーズ「24:Live Another Day」の制作開始を発表し、2014年5月に全米で放送された。2014年7月16日に全12回の放送を終了。日本での発売&レンタルも2015年3月4日に始まった。これまでの切れ味を失わず、新たな展開にも挑んでいるとして、日米いずれの国でもファンや関係者から高い評価を得た。

 そして「24 -TWENTY FOUR- レガシー」は、「24-TWENTY FOUR-」本体シリーズの打ち切りや継続などの判断を打ち出さないまま、スピンオフの新シリーズとして企画され、米国時間2017年2月5日にスーパーボウルが放送された後に全米で放送がスタートした。視聴者数などが好調だった場合はシリーズ化され、復活が暗礁に乗り上げていた「24-TWENTY FOUR-」本体シリーズに代わってメインのシリーズになることも考えられたが、評判は芳しくなく、1シーズン限りで打ち切りが決まった。

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