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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー…
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい…
¥777
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#劇団民藝

日本の選択をめぐる魂を削るような日々、重厚な会話劇に生き生きとしたリズム…★劇評…

 私たちは現在の時点から歴史を見ているから、何でも好きなことを言えるが、その歴史の時々に…

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老優役西川明の奥行きのある演技、数々の仕掛けが融合して、得も言えぬ心の震えを禁じ…

 俳優にとって、俳優であるということはどういうことなのか。演劇の真の意味とはなんなのか。…

150〜
割引あり

ニール・サイモン初挑戦の劇団民藝が洗練された演技であちこちに仕掛けられた人生の機…

 スランプと浪費でピンチに陥っている作家ローズに訪れた奇跡のような出来事。幽霊まで登場さ…

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哀愁や郷愁の中で人々の生命力がぶつかり合う秀逸な芝居に…★劇評★【舞台=忘れても…

 本人にとってはとるにたらない個人史だと思っていることでも、それを追うことによって社会の…

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人間の本質そのもののような要素を鮮やかに描き出している…★劇評★【舞台=地熱(20…

 この芝居の主役は「労働」だ。とは言っても、労働組合の闘いを描くものでもないし、過労死を…

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暗い時代にあっても笑いと生命力が息づく時代を描く人情喜劇として成立。市井の人々の…

 水谷八重子の女優としての生きざまを描きながらも、水谷八重子は一度だって登場しない。つま…

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戦争が与える傷を痛切に積み上げながら、2人の出会いとやり取りが何ものにも代えがたい瞬間のつらなりに見えるような優しい手触りが特徴的…★劇評★【舞台=泰山木の木の下で(2019)】

 名優、北林谷栄の代表作のひとつで、劇団民藝が演じ継いできた日本演劇界の財産とも言える傑作戯曲「泰山木の木の下で」が2019年、16年ぶりに劇団民藝による新たな布陣で上演された。戦争や原爆による取り返しのつかない壮絶な痛みを受けた女性と刑事が宿命的な出会いを果たす中、垣間見えるおびただしい生と死のイメージは決して声高にその悲劇を糾弾することはないが、一見ほのぼのとした2人のやり取りの間から戦後日本人の声にならない叫びが漏れ聞こえてくるような多層的な作品に仕上がっていた。新たに

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女性が成長の過程で歩くことになる人生に流れる、しっかりと体温の感じられる温かみが…

 明治時代に発生した足尾銅山鉱毒事件を天皇に直訴しようとするなど、被害者の救済に尽力した…

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勝者と敗者、敵と味方などと二元論で捉えられがちな国と国との関係に重要なのは人と人…

 満州映画協会(満映)のことについては、私も共同通信の文化部記者だった時代にいろいろと調…

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漂流していたのは自分の方だったのか…★劇評★【舞台=ペーパームーン(2018)】

 亡くなった方への手紙やいろんな事情から出せない手紙、そして行方の分からない人への手紙、…

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