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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー…
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい…
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2019年2月の記事一覧

女性が成長の過程で歩くことになる人生に流れる、しっかりと体温の感じられる温かみが…

 明治時代に発生した足尾銅山鉱毒事件を天皇に直訴しようとするなど、被害者の救済に尽力した…

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「ザ・人間」の葛藤劇は喜怒哀楽すべてを激しく刺激して面白いことこの上ない…★劇評…

 没落や破滅などの予感が色濃く漂っているのに、登場人物たちは今を生きるのが精一杯で、運命…

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不可思議で、なおかつ美しすぎる世界が…★劇評★【舞台=唐版 風の又三郎(2019)】

 かつて唐十郎が紅テントで上演したアングラ演劇の傑作「唐版 風の又三郎」が、2013年に…

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ひとつひとつのせりふが醸し出す有機的な意味合いがよりふくらみを増して…★劇評★【…

 夜汽車というのはどうにも心がガタゴト揺り動かされて、切なくてしかたがない。何か蒸気や電…

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抱腹絶倒の物語の中に哲学的な問い掛けも…★劇評★【舞台=Mann ist Mann マン イス…

 横浜市にある「KAAT神奈川芸術劇場」と長野県松本市にある「まつもと市民芸術館」。ともに白…

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それを地獄と呼んでも天国と呼んでも構わない…★劇評★【舞台=出口なし(2019)】

 人間とは何か、「私」とは何かを生涯追究し続けたフランスの哲学者、ジャン=ポール・サルト…

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地球のために動物たちが立ち上がる。現代人はこれを予言の書としか思えなくなる…★劇評★【舞台=どうぶつ会議(2019)】

 かつて井上ひさしが劇団四季に書き下ろした「どうぶつ会議」をこまつ座が上演している。戦争ばかりしている大人の人間たちを憂い、このままでは子どもたちがかわいそうだと地球上の動物たちが立ち上がるエーリッヒ・ケストナーの傑作小説がもとになっているが、50年以上前に発表されたとは思えない警句があちこちに散りばめられ、現代人はこれを予言の書としか思えなくなる。つくりは子どもたちに理解しやすいようになっていて、会場に駆け付けた子どもたちの目には動物たちは、悪い大人たちに痛烈なメッセージを

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