中間をとって

『中間』をとって

家に帰ったら、ダイニングテーブルに、これが置かれていた。

チョークアート


土曜の昼、ツレと喧嘩した。


そして一晩、職場の二階でふて寝して、日曜の昼の帰宅時のこと。


時間軸を混乱させて申し訳ないが、その日曜の午前中、前の晩の最終の新幹線で名古屋まで、孫を連れて行った母と、新大阪で会っていた。


母と私はよく似ている。理屈っぽいところが。


そして包容力に乏しく、「まあ、いいやん」とか「仕方ないねぇ」がないところも。


母と話しているときに、フッと二年前の記憶が蘇ってきた。


夏頃か、私は高校時代の同級生と、お芝居を見に行く約束をして、福岡に帰省した。


三人で行くはずが、一人が時間過ぎても来ない。


結局、二日酔いで頭がガンガンするからと、ドタキャンだったのだ。


その同級生から、ある日突然連絡が来て、

「昨日の夜思い立って、車で大阪に出てきたから、今から会おう!」


私はその日勉強会の真っ最中だった。


前回は人との約束を反故にしてドタキャン、今回も人の都合無視。

お前はバカかと。


やり方は違っても、自分の都合で人を振り回す点は何一つ変わってないではないか。


と、完璧な理屈で、追っ払ったのである。


しかし


友人はダメダメだが、


勉強会の後まで待つなら、時間をとってやっても良かったのではないか、とも思う。


頭に血が上った私は、そんなこと、考えもしなかった。


柔軟性なし。


画一的。四角四面。


包容力がない。

そして、ツレとの喧嘩の原因も思い出した。


昼ごはん、ツレのリクエストで串カツを食べ、量が少なかったので、お腹が空いた私。


スイーツが食べたいツレ。


【じゃあ、中間をとって、どちらも食べられるカフェに】


または、別行動して、後で合流でも良かったのである。


しかし頭に血が上った状態では、そうならなかった。


二人とも柔軟性がないから。


喧嘩別れして、土曜の夜、職場の二階にふて寝し、日曜の午後に至る。


私はツレに、「言葉で説明して!」と、怒りがちだ。


言葉が下手なツレが描いて、テーブルに置いたコレが、なんとなく物悲しい。

本人なりに、言語化しようと、四苦八苦したのではないだろうか。

「そのココロは?」と聞くべきか、

それとも黙って好物のアサヒスーパードライを渡すべきか。

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