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ネットとリアルを組み合わせて顧客の体験価値を高める

セブン銀行は「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」をパーパスに掲げ、革新的なサービスを次々と打ち出してきた。そんな同社の最前線の取り組みに迫るシリーズ企画。第3回は、本年6月(予定)にセブン銀行の「ATMお知らせ」サービスを導入するPayPay銀行の横山大人氏にご登場いただき、導入を決めた理由や期待する効果などについてセブン銀行の深澤孝治氏と語り合った。

※日経ビジネス2024年3月8日発売号に掲載
※日経ビジネス電子版 2024年3月8日~4月4日まで掲載
※所属、役職は取材日(2024年11月)時点のものです


継続的顧客管理業務の実効性を高める「ATMお知らせ」

深澤 PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は国内初のインターネット専業銀行として、2000年に創業されました。その翌年にセブン銀行(旧アイワイバンク銀行)は事業を開始し、御行が当行とのATM提携をスタートしたのは2005年のことです。ネット銀行の黎明期からともにビジネスを始めただけでなく、御行のお客さまには長年、セブン銀行ATMをご活用いただいており、大変うれしく思います。

横山 PayPay銀行は、自行でATMを持っておりません。そのため当行のお客さまが現金の入出金を行うためには、提携金融機関のATMを利用いただく必要があります。現在6社と提携していますが、そのうち最も利用されているのがセブン銀行ATMです。全国のセブン‐イレブンや商業施設、駅などさまざまな場所に設置されており、お客さまの行動範囲の中に必ずと言っていいほどあるのが高い利用率の理由でしょう。当行のお客さまの中にはパソコンやスマホではなく、ATMでメインにお取引される方が一定数いらっしゃいます。主にそうしたお客さまとのコミュニケーション手段の一つとして、6月からセブン銀行の「ATMお知らせ」を導入します。

深澤 「ATMお知らせ」は、当行のATMがあらゆる手続き・認証の窓口となり、人と社会をつなぐ「+Connect(プラスコネクト)」のサービスの一つです。その名の通り、ATM利用者への「お知らせ」を目的としており、出金取引の際にお客さまごとの届出情報などをATM画面に表示し、確認を促すことができます。郵送やeメール、ショートメッセージサービス(SMS)、店舗の窓口といった既存の手段に比べて金融機関側の負担は少なく、お客さまには確認していただきやすい仕組みとなっています。特にいま金融機関に求められている継続的顧客管理や在留期限管理などへの対応で効果を発揮するでしょう。

横山 当行でもマネーロンダリング対策の一環として継続的顧客管理を強化しています。ネット銀行なので基本的にはサイト上で通知し、回答いただいていますが、ATMのご利用がメインのお客さまには現状、郵送やSMSなどでお知らせしています。ただ、それだと確認していただけないケースも多く、回答率が低いことが課題でした。「ATMお知らせ」を導入することで、出金取引のタイミングで直接ご案内できるようになり、これまでなかなかアプローチできなかったお客さまからの回答を得られやすくなることを期待しています。

深澤 継続的顧客管理を郵送などで行う場合、回答率は2~3割と言われています。一方で「ATMお知らせ」が23年9月にサービスを開始してから現時点(取材日:24年1月)までの実績を振り返ると、約7~8割のお客さまから回答が得られております。

横山 約8割の回答率というのは、非常に魅力的ですね。期待が高まります。

ニーズに合わせてカスタマイズ 「痒いところに手が届く」対応

深澤 「継続的顧客管理」における回答率を上げるためには、お客さまとのあらゆる接点を活用し、届出情報を確認・回答できる環境を整備することがとても重要です。これまでの御行のやり方を補う役割として「ATMお知らせ」を採用していただいたことは、お客さまに多様な選択肢を用意するという意味で、とても有意義なことでしょう。

横山 おっしゃる通りです。地方銀行では窓口業務の代替など、非対面取引を拡充する流れの中でセブン銀行ATMのサービスを活用することが多いと思います。一方、当行はネットやスマホといった非対面取引がメインで、自行のATMはありません。そのためセブン銀行ATMは、我々にとっては自行のリアルチャネルとも言える位置付けです。単なる現金の入出金に留まらず、お客さまとのコミュニケーションを図る場所として、幅広く活用していきたいです。

深澤 御行のお客さまには、「PayPay銀行のリアルチャネル」として使っていただきたいと思います。

横山 「ATMお知らせ」導入に際して、セブン銀行には、当行のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズしていただきました。例えば、口座開設時期によってお客さまの届出事項は異なるので、それに合わせて通知内容や画面を何種類も作っていただきました。また、運用面でもできるだけ当行の事務負荷を軽減できる仕様をご提案いただきました。セブン銀行は同じ金融機関だからこそ、当行の課題に対する理解が深く、まさに「痒いところに手が届く」対応でした。

深澤 ありがとうございます。継続的顧客管理は当行にとっても重要な課題です。そして「ATMお知らせ」は、銀行品質とユーザビリティを両立したサービスでなくてはならないと考えております。また、当行の「ATMお知らせ」を導入いただければ、お客さまが操作に困った際に利用されるコールセンター等のサポート体制も、一括してご提供しております。PayPay銀行とは、同じ金融機関として課題を共有しつつ、ぜひご意見やアイデアもいただきたいと思います。今後とも御行は、パソコンやスマホといった非対面チャネルが取引のメインだと思いますが、リアルな場での非対面チャネルとしてセブン銀行ATMをご活用いただくことで、お客さまの利便性は格段に高まるでしょう。「+Connect」のもう一つのサービスである「ATM窓口」を導入いただければ、お客さまは住所・電話番号の変更や口座開設もセブン銀行ATMでお手続き可能になります。「ネット銀行に口座を作りたいけれど、手続きはATMで行いたい」というお客さまのニーズにお応えすることができます。今後もPayPay銀行と一緒にネットとリアルを組み合わせた利便性の高いサービスの実現を追求できたら幸いです。

横山 将来的にはATM上で届出情報を変更できる「ATM窓口」サービスを導入したり、ATMを営業チャネルとして活用する可能性もあります。ATMという信頼度の高いチャネルで、さまざまな体験をお客さまに提供していければいいですね。

~あらゆる手続き・認証の窓口となり人とサービスをつなぐ~
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