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初めて『車出し』をするパパさんママさんへ

 これは私の実体験に基づいたお話です。

 最初に結論をお伝えすると、保護者の車出しのお願いが来たとき、いちばん最初にすべきこと、それはご自身が加入されている自動車保険内容のチェックです。そして、万が一の事故の際にご自分の家族以外が補償される内容でなかった場合は、「同乗者障害特約オプション」に加入することをオススメします。私の場合は月額300円プラス程度でした。

 理由を説明します。

 以前息子が所属していたサッカー少年団で初めて車出しをお願いされたときのこと。私が真っ先にチームに確認したのが万が一の事故についてです。

 高速道路も使う遠征で、息子のお友達を乗せた車に万が一トラックが突っ込んで来たら… 自分のミスで事故を起こしたら….想像しただけで冷や汗が出ます。

 私はまず、チームの学年代表さん(保護者の学年リーダー)に、万が一の事故が起きたときの約束ごとや誓約書のようなものはありますか?と尋ねました。

 すると翌日LINEに連絡が来て、チーム関係者が私と直接お話したいので区民館までお越しくださいとのこと。各学年代表のママさんが3名、役員が1名、代表が1名、合計5名が会議室で待ち構えていました。どうやら私はあまり好ましくない発言をしてしまったようです。

 チーム代表の方がこう仰いました。

 「うちのチームは長い歴史の中でこれまでの遠征で一度も事故は起きていません。誓約書のようなものはありません。皆さん信頼ベースでやってくれています。少年団というのは保護者さんのご協力の上に成立していますが、どうしてもご心配であれば無理にお車を出していただかなくて結構です。」

 あ、ポイントがズレてる。そうじゃない。

 私:「私が気になったのは、万が一事故が起きたときのことです。もし同乗していた他の家のお子さんが怪我したり亡くなったりしたらどうされるのですか?そのような想定はされていないのでしょうか?」

 しかし、代表者からの話は平行線のまま。「嫌なら無理にお手伝いしてくださらなくても結構です」の一点張り。「そのために我々はスポーツ保険にも入っています。」と。

 確かにスポーツ保険というものに入った記憶があります。でも、それで本当に遠征時、行き帰りに起きた事故の内容が補償されるのか、詳しい説明はありませんでした。

スポーツ保険で遠征時の交通事故による損害補償はカバーできるのか?

 そこで、実際に少年団の加入しているスポーツ保険の窓口となっている「公益財団法人スポーツ安全協会」のホームページを確認したのですが、微妙にわかりにくい部分があったので、実際に保険を販売する「東京海上日動」さんに電話で問い合わせてみました。

東京海上日動 関東スポーツ安全保険コーナー
フリーダイヤル:0120-789-047

 結論は、YesでありNoでした。

 もし皆さんが加入しているのが「公益財団法人スポーツ安全協会」のスポーツ保険であれば、以下のような対応になります

加入区分に応じた保険金の支払い額はこちら↓
https://www.sportsanzen.org/hoken/kubun/kubun_i.html

 保護者のクルマに子どもが乗合って、練習や試合会場への往復で起きた自動車事故における「怪我、入院、通院、死亡」に関しては、スポーツ保険の加入区分応じた限度額に応じて保険金が支払われます。

 しかし、自動車運転中の事故は賠償責任の対象にならない、と書かれています。

 以下がスポーツ保険の約款をかみくだいて説明した部分です。『保険金が支払われない主な場合』をご参照ください。

「(例)集合場所へ行く途中、自動車で事故を起こして賠償責任を負った場合は支払われません。ただし、自分のケガは、傷害保険の対象となります。」

 運転中の居眠りや誤操作などの過失、他車に突っ込まれたなどのもらい事故で、乗車していた子どもが障害を抱えたり、死亡するなど運転者が加害責任を負った場合、スポーツ保険の補償範囲で認められた補償金は支払われたとしても、慰謝料や賠償金についてはスポーツ保険でカバーされないのです。

 実際に、東京海上日動では「車出し」で起きた自動車事故で運転者に損害賠償責任が発生した場合、個人加入の保険等級が下がることを嫌い、スポーツ保険で賠償できないないか?という問い合わせを年に4〜6件受けるそうです。

 しかし、それは「東京海上日動」の販売するスポーツ保険の補償範囲ではないので、「運転者が加入している自動車保険をお使いください」と回答されるとのこと。

 結論として、「車出し」をされる場合は、ご自分が加入する自動車保険の条件を良く調べ、万が一の場合どのような範囲で保険金が支払われるかも確認しておくのが良いと思います」とアドバイスをいただきました。

 息子の同級生が自分の運転する車で怪我を負ったり死んでしまったときのことを想像するだけで胸が締めつけられますし、そんなことが実際に起きたら同じ地域に住むことすら難しくなるのではないでしょうか。それだけでなく、一生苦しみを背負うことでしょう。

 みなさんも、車出しのときは必ずチームと保護者間で、万が一の場合について話し合う機会を設け、最低でも家族以外の同乗者も補償される自動車保険に加入することをおすすめします。

 遠征も合宿も楽しいものですから、チームとして、保護者としてのご配慮をお忘れなく!

 もしお子さんが加入しているのが「公益財団法人スポーツ安全協会」のスポーツ保険であれば以下がお問い合わせ先になります(ご質問がある方は下記連絡先へお気軽にお電話くださいとのことでした)。

【関東にお住まいの方】
東京海上日動 関東スポーツ安全保険コーナー
フリーダイヤル:0120-789-047

【その他地域の問い合わせ先】
https://www.sportsanzen.org/hoken/jiko.html#renraku

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