見出し画像

廃病院2

三階まで階段を上りまずは院長室。
中は凄まじく荒れていて色んな物が散乱し高そうだったソファは切り裂かれここにも赤黒い物が所々に染み付いている。雰囲気は抜群で皆んな恐々と歩き部屋を見回る。

「これはやべぇ…」
「やだ…」

それにしても血の跡が酷いな。
ここに来るまでの階段にも血の跡はありこんなに飛び散るなんて惨殺どころではないだろう、その憎悪の思いがどれほど強いのか感じられる。

窓ガラスは割れているのでその上を歩くとジャリっと音がしその少しの音で小さく悲鳴を上げ風が道る音にビクつき友人がそれを見てゲラゲラ笑う。

いや、マジ怖いんですけど…。

それにさっきからねっとりと纏わり付く様な空気が漂い何だか嫌な予感がするのは気のせいだろうか。そんな状態で三階から二階、一階へと降りて行く、そして奥に地下に降りる階段があると友人が呟く。

日がすっかり暮れ病院は携帯のライトのみ、辺りは真っ暗になっている。地下の階段を照らすが光が弱過ぎて下まで見えないのがより恐怖を駆り立てる。

「ここってもしかして安置室とかじゃない…?」
「…………」

もう一度地図を見直すと安置室と書かれているのが確認できた。

「ここまで来たんだ、行こうぜ♪それに何か事件に関しての物が発見出来たりするかもだし」

カメラで映像を撮っている友人が急かす様に皆んなを促す。
いや、これはさすがによろしくないのでは…。

「ねぇ、もう止めよう」

メンバーの中で一番大人しい女の友人Aが青い顔をしながら訴えてきた、
気付かなかったけど今にも倒れそうな感じで小刻みに体が震えている。そんな彼女を見て流石にもう止めにしょうと俺が口を開きかけた時。

「今、ライブ配信してんだよ、俺は行くよ」
「お、おい!」

静止する俺達を無視して階段を降りて行ってしまう。
俺ともう1人の友人は顔を見合わせ、こんな所で1人置いて行くわけにはいかないと友人Aに声を掛ける。彼女もここに置いて行く事も出来ないので下に降りた友人を連れ戻しに行って直ぐにここから出ようと説得した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?