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辺りは変わらず真っ暗闇のまま、余計に緊張が増す。 でも、言わなければいけない。 『私、私…
ー明香と光司のXmasー 息を吐くと白い朧気な煙がゆらゆらと立ち上る。 ベンチに腰掛けキラキ…
ー光司ー 何気に時計を見て思わず声を上げる。 『48分?!』 時刻は午後11時48分を指してい…
運び人は懸命に鈴を鳴らす。 彼には聞こえていないみたいだ。 “聞こえていないみたいですね…
ー光司ー 俺は焦っていた、今日はXmasだからタクシーがまったく捕まらず走っている。 時刻は…
暗い空を駆け抜ける。 上空は心地よい風が吹いている。 毛がゆらゆら風になびき赤い鼻をクンク…
ーミカのXmasー ガラス張りの室内では白衣を着た男女が、緊迫した様子で慌ただしく動き回っている。 ただそれをもどかしく見つめる事しか出来ず、両手をグッと爪痕が残るほど握りしめる。 『急いで!!』 『先生!心肺停止しました!!』 心臓の鼓動を映し出す機械がピーッと高音の音を立て、室内が一瞬凍りついた様に固まり機械音だけが響き渡る。 『いや…ミカ……』 医師が最終確認をしてこちらに向き直り、苦々しい表情をして顔を横に振る。 『いやぁぁぁぁーー!!』 狂った様に悲
ーマリのXmasー 部屋には段ボールが溢れ返り足の踏み場もない。 毎回よくこんなに荷物が増え…
ーXmasの夜にー 午前0時 そこには沢山の人達が忙しなく動き回っていた。 今日はXmas。 1年…
ー明香ー 私は1人部屋の中で毛布に包まってベットに座っている。 どうしよう…。 さっきか…
ーマリー 今年も家族とのクリスマスかぁ……。 綺麗に飾られた街並みを楽しそうに笑い合いな…
-ミカ- こえがきこえる……。 ママなかないで パパもないているの?? きっとミカがびょう…
ーミカの両親ー 無機質な白い建物、普段は何の表情もない空間がXmas一色に染まっていた。皆楽…
ー光司ー やっと仕事が終わり気付いたら残っているのは俺だけだった。 コートを羽織り明香がプレゼントしてくれたマフラーと手袋を着け、冷たい雪風の中タクシーを拾う。 『広園台まで』 疲れた体をタクシーの後部座席にグッタリと沈めながら外の景色を眺める。 窓の外は暗闇で人の影もなく白い綿帽子の様な雪がハラハラと降り積もる。 時刻は午前1時を回っていた。 携帯を取り出し留守電やらメールをチェックする。 「新しいメッセージが5件です」 無機質な機会音の声で次々と仕事絡みの連絡