ケン・リー
『店内でイヤホン付けるな議論』がラーメンより熱くなっておりますご注意ください。
とあるラーメン店の従業員が『お客さんに注文を聞く、また商品を出す際に、イヤホンされてると聴こえてないから困る。』という投稿に賛否が巻き起こっているという話ですね。
お店には『店内でのイヤホン禁止』と謳っている店もあるほど、この『イヤホン問題』は、この令和の時代に過熱の一途を辿っている。
その昔、『イヤホン』ってのは片耳用のピンジャックで、テレビを買うと標準装備されており、画面下辺りにあるアウトプット端子に接続し、深夜のお色気番組を家族に隠れて観るためのマストアイテムであった。
時は流れ、SONYが『ウォークマン』を発売する。
それまでのゴツくて重厚な『ヘッドフォン』の概念をぶっ壊す小さくて軽いヘッドフォンがデフォルトとなり『ナウい』の先鋭的存在であった。
やがて『インイアーヘッドフォン』が出現し、同時に『どっち向き?』議論が白熱することとなる。オフィシャルからの答えが出てはいるものの、ほとんど正しく着用する人はいない。
音質に拘る音響マニアがまたデカいヘッドフォンへ回帰したり、紆余曲折を経て、ブルートゥースの登場で一気に『スマホ&ワイヤレス』は学生や社会人のたしなみアイテムとなった。
さらに『ノイズキャンセリング機能』の登場でより没入感を得られるようになった。
その反面、周りの音が聞こえないリスクをその周りの人たちが被るという、今回のラーメン店での出来事のような、実に不可思議な逆転現象が起き始めている。
近頃は、食券を買ってテーブルに座ってから『麺のゆで具合、トッピングの有無』などの詳細なオーダーを聞くケースが大半であるため、イヤホンで没入しスマホで動画なんか観てられると、全く店員に気づいてもらえないというケースが出ているということのようだ。
一方、イヤホン没入組としては、『クチャラーなど不快な音対策にイヤホンは不可欠である』との言い分のようで、イヤホン論争はラーメン界隈に留まらず各方面に飛び火しております。
外国人にとって『麺をすする音』はこの上ない不快な音のようで、イヤホンのノイズキャンセル機能は確かに最も有効的な活用方かも知れない。
『権利』
こういったSNS上で巻き起こる数多の議論にあって、必ず一方側が念仏のように唱えるのが『権利』であります。
『オレが平和にラーメンを食うための権利』
『満員電車を少しでも快適に過ごす権利』
『誰からも話しかけられたくない権利』
『常に好きな音楽を聴いていたい権利』
LGBT、男女平等、アイヌ、貧困女子、外国人移民、何かにつけて『権利』が先に来る議論ばかりで辟易とする。
そもそもの気質、そして横並び教育の結果、日本人はディベートに向いてない。徒競走で手を繋いでゴールするような教育だもの、論ずることに自信が無いのはもう仕方がないよ。
さりとて有名大学を出て、陽のあたるメインストリームを揚々と歩んできたその自尊心が『ディベート下手』と傷つけられるのも耐え難い。
もし議論に発展してしまった際には、先ず優位を得たい!だからと言って大声でキレ散らかすのは知能が低いと思われてしまう。とりあえず『権利』と言っとけば無視はできんだろう。
なので『権利って言えば勝ち』みたいに思ってるふしもあると思う。
店員さんのお気持ちも、お客さんの気持ちも理解した上で考えなきゃいけない話であるとは思いますけども、『金返すから二度と来るな。』でいいような気がしてます、もう。
『お客様は神様です』と言うなら、『麺のゆで具合やトッピングの有無』くらい聞いてやったらどうや。神さまならそんなもん朝飯前やろ。
いや、ランチタイムであってもや!
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