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飛ばんざい

高校野球の金属バットが『飛ばない仕様』に変わった。要するに『ホームラン』が出にくくなった。観てる方にはさほど実感は無いけどね?

スポーツなので、根源的な変更は無い方がいいと思うんですが、甲子園球場で開催される高校野球に限っては『金属バットの導入』『ラッキーゾーンの撤廃』の二度、大きな節目があった。

金属バットの導入で「ホームラン」が多く出るようになった。結果、ピッチャーが球速や球種、コントロールをより意識するようになった。

実際にストレートとカーブ(今のスライダー)くらいしか無かった時代から、チェンジアップ、ツーシーム、カットボールぐらいは普通に投げるし、フォーク、スプリット、カーブ、ナックルボールまで投げる子もいる。

そして甲子園球場のラッキーゾーンが撤廃され、広くなった甲子園球場ではツーベース、スリーベースが増え、内野の連携は元より外野手の守備力が勝敗を分けるようにもなった。

そして飛ばない金属バットの導入で、より緻密な「内外野の連携」が求められるようになる。

飛ばないと言っても芯を食えば飛ぶので外野手はただ前に守っていればいいということでは無い。今まで以上に全方位意識を置く守備をしなくてはいけなくなった。

どちらかと言うと『打撃力優先』だった外野手の『守備力』が勝敗を左右する。外野手の守備位置、内外野の連携、日々の練習では特に時間をかけるでしょうし、試合ではベンチからの具体的な指示も出るでしょう。

日ハムの新庄監督が現役時代に「外野守備のラインコントロール」をしていた話を聞いた。

センターを守る新庄選手がレフトとライトを常に「等間隔」で守れるよう、バッテリーの配球の傾向から、相手打者のクセを考え、ライト側に10メートル動けば同じくライトもレフトも10メートル動くというシステマチックなものだ。

逆を突かれる少ない可能性に備えるよりも着実にアウトを一つ取る野球をする。それを阪神在籍時から実践していたと言うんだから恐れ入る。

高校を卒業し、阪神タイガースに入団してチーム事情からショートにコンバートされた経験が生かされる格好にはなるが、さすがに『天才肌』と言われる人は違う。

普通は監督やコーチに『なに勝手なことやってんねん!』言われて終わりでしょうが、それを納得させられるだけのプレゼンもしたんでしょうし、実際に結果も出した。

本人は『やってみてダメなら戻せばいい』くらいの感覚なんでしょうが、そこが凡人との圧倒的な差でしょうね?

そして今、時代が追いつくことになる。

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