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雷の呼吸

はじめに

5月は4月よりも忙しかったけど、何とか本は読み終えることができた。論文は頑張って読もうと思う。ベイスターズの調子も5月になって上がってきた。先発がどんどん消えてることは気にしない。なおこの記事を書き終わったのは6月下旬な模様

今回読んだ本

今回読んだ本はリード・ホフマンとクリス・イェが書いた「BLITZ SCALING」だ。この本は企業が爆発的に成長するための戦略について筆者の豊富な経験を基に書かれている。こちらからも読める。
その戦略とは効率よりもスピードを最優先する戦略: BLITZ SCALINGだ。
エアビーやスラック、ウィーチャットはなぜ短期間で急成長できたのか?
その答えはBLITZ SCALINGである。

BLITZ SCALINGとは(由来から考える)

BLITZ SCALINGは前述の通り効率よりもスピードを最優先する戦略である。
これは筆者の造語だが、元ネタはナチスドイツのハインツ・グデーリアン陸軍大将が指導したブリッツクリーク(電撃戦)から来ている。
従来の補給路、撤退路を確保し、ゆったりとした進軍方式ではなく、ブリッツクリークは全面攻勢の戦略だ。燃料や弾薬などの資源の補給が追い付かなくなるというリスクを受け入れてまで前進速度を追い求める。その結果守備側は不意を突かれて攻撃側が無双できるのだ。
リスクを受け入れて効率よりもスピードを優先するという意味がこの例えから何となく伝わるだろう。

BLITZ SCALINGとは(従来のビジネス戦略との比較)

従来のビジネス戦略はまずは正確な情報を収集してリスクを正確に見積り、最も成功の確率が高そうな戦略を取る(最適化)というものだ。すなわちリスク計算や最適化をスピードよりも優先するというものだ。
新しいテクノロジーが次々と登場して市場の構造を作り変えてしまう現代ではこの戦略が通用する場面はどんどん少なくなるだろう
スタートアップの成長戦略とも比較してみよう
従来のスタートアップのビジネス戦略
・将来の見通しがきかない中でも効率性重視
伝統的なスケールアップ式の成長戦略
・環境を確実に把握したうえで効率性を追及
ファストスケーリング
・高い成長率を実現するために資本効率をある程度犠牲にする

起業を飛行機を組み立てて飛ばすことだとすれば、
伝統的な成長戦略は飛行機を確実に組み立てて飛ばすことだ。
一方で、ブリッツスケーリングは胴体に翼を付けている最中にエンジンを点火してしまうことだ。
こんな無謀なことを誰がするのか?そのメリットはどこにあるのか?

BLITZ SCALINGのメリット

なぜこんな無謀な戦略を取るのだろうか?
1. 他人よりも圧倒的な速さで成長できる
2. その市場を制圧できる
3. 変化に対応できる

2は1の結果なので、セットで考えてみる。

スピードを最優先にするので、一度軌道に乗ってしまえばとんとん拍子どころじゃなくすざまじい速度で成長できる。
ソフトウェアを販売する場合、AWSなどのクラウドサービスが整い、なおかつ世界中がインターネットで繋がれているため、製品をあらゆる場所に届けることができる。
その結果、市場でトップを走ることになれば、資金と人材を集めやすくなるのだ。

さらにライバルがブリッツスケーリングを試みている場合、こちらがゆっくりじっくりと効率化してビジネスをしていると、あっという間にシェアを奪われる可能性がある。
シェアを奪われるというよりも全く新しいルールの市場を作られる可能性があるのだ。

会社のステージ

会社の人数や規模によってステージが異なり、その時々で必要な戦略や人材は異なる。もちろん規模の測り方は人数だけ(売り上げ、ユーザー数など)じゃないし、社員数と売り上げ規模やユーザー数が一致してないこともある。人数と創業当時の方法や哲学が通用しなくなるステージが来るのだ。

第1ステージ(ファミリー) 社員 1〜9人
第2ステージ(部族)          社員10〜99人
第3ステージ(村)             社員1000人未満
第4ステージ(都市)          社員数千人
第5ステージ(国家)          社員1万人以上

3つのイノベーション

スタートアップが爆発的に成長するためには、3つのイノベーションを起こさなくてはならない。ビジネスモデル、戦略、経営の3つだ。これらをざっくりと説明していく。

ビジネスモデルのイノベーション

ビジネスモデルのイノベーションはシンプルだ。急成長を遂げられる革新的なビジネスモデルを発見して、設計することだ。
よくテクノロジー面の知識も大事と言われるが、それを使ってどう金を稼ぐかを考えられないと急成長はできない。新しいテクノロジーを開発しなくても、既存のテクノロジーを組み合わせて革新的なビジネスモデルが作り上げられればそれで良い。実際に既存のテクノロジーを組み合わせたビジネスモデルの方が多い。

大企業と同じようなビジネスモデルであれば市場を制することは相当難しい。彼らの方が規模が大きくリソースも報復なので、大体跳ね返される。彼らとは異なるルールや既存のテクノロジーを組み合わせることが必要だ。

戦略のイノベーション

ブリッツスケーリングには猛烈なスピードでの成長は不可欠だ。どうやってその成長を実現し、達成するかという戦略をきちんと持っていないと絵空事で終わる。
基本的には原則通りスピードを何よりも優先する。
例えば、UBERは市場を支配するために、ドライバーの賃金を高くして、なおかつ料金を割り引くこと戦略を取る事がある。最初は赤字を積み重ねるが、ライバルは追い落とせるだろう。

経営のイノベーション

ベンチャー企業あるあるとして、初期のメンバーとずっとやっていきたいというこだわりがある。それだとうまくいかない可能性がある。会社が成長するにつれて組織の形態が変化し、それによって求められる人材が異なるからだ。いわゆる0を1にする能力と1を10にする能力は違うというやつだ。最初は組織の形態が固まってないため、何でもそれなりにこなせるゼネラリストが必要だ。会社の規模が大きくなると、組織が細分化され、専門家が必要になってくる。

多様性の大切さ

企業の成長には多様性は重要だ。似たような属性の人が多くなるとハラスメントが起きやすくなる。さらにアイデアも生まれづらい。リファラル採用に頼ってしまい、同質な人を集めがちになるが、注意する必要はある。

最後に

公開が遅れるごとに内容がどんどん簡素になってきたので、もう少し計画的に読み進めたいなあ

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