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【小説】ハトを知らない人々

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ハトと知らない自分とハトを知らない人々のお話です。
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7.わかった!(完)

それでハトはもう一度意を決して旅人の肩に乗りました。そして思い切ってジャンプしました。けれどもうまくできませんでした。

町の人たちは落ちるハトを見てくすくすと笑いました。食堂の仲間たちは心配そうに眺めていました。旅人だけがハトを力強く励ましました。

「心配するな。君は必ず飛べる」

ハトはもう一度旅人の肩にのりました。

するとびゅーーっと大きな風が吹きました。

町の人々も、食堂の仲間たちも

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5.ちびを救おう!

5.ちびを救おう!

食堂の仲間たちは子供たちの知らせを聞いてまたも旅人のことで論じ合っていました。

「旅人はどんなやつだった?」

「うーんと、ふつうの人だったよ!」

「おばけじゃなくって?」

「おばけだと思う!でもふつうだったよ!」

おばさんの息子は子供たちにしつこく問いただしていました。ちびのことがとても心配だったからです。

「それであの男、ちびに『君はハトだから、あの大空を飛ぶことができる』って言って

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4.旅人との出会い

4.旅人との出会い



ハトが町を歩いていると、ひとりの人間に声をかけられました。

「ねえ君、この辺においしい料理屋はないかい?」

「はい、ありますよ。」とハトが見上げて答える
と、頭に帽子をかぶった見たことのない男でした。

「わあ、やっぱり君、私の言葉が分かるんだね。」

ハトは目をぱちくりさせながら首をかしげました。

「わたし、いろんな国へ出かけているんだけれどしゃべるハトは初めて見たよ」

ハトは自分の

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3.大会議

3.大会議



ある日ひとりの旅人が町を訪れました。それで町中大騒ぎになりました。外部から人がやってくることなんて、千年に一度あるかないかの出来事だったからです。

食堂の仲間たちも、テーブルを囲んでああだこうだと旅人について論じ合っていました。ハトはテーブルの上で様子をうかがっていました。それで尋ねました。

「外から人間が来ることがそんなに珍しいことですか?」

食堂の息子が大きくうなずいて答えました。

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2.食堂の仲間たち

2.食堂の仲間たち



ハトは毎日仲間たちがいる食堂に行っては、日が暮れるまで一緒に過ごしていました。

食堂の仲間の中には、町いちばんの美人さんもいましたし、町いちばんの勉強家もいました。食堂のおばさんはいつもおいしい料理をつくってくれたし、その息子はギターを弾きながら上手に歌を歌いました。また、となりに住んでいる子供たちも遊びに来ました。ハトは食堂の仲間たちと毎日歌ったり踊ったりして楽しみました。

けれどもハト

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1.ちび

1.ちび

町に一羽の小さなハトが住んでいました。

ハトは人間たちが好きでしたし人間たちもハトが大好きでした。

けれども人間たちはハトが「鳥」だと知りませんでしたし、「ハト」という名前も知りませんでした。だから人間たちは、ハトをただ見た目が小さいから「ちび」と呼んでいました。

(続く)