あなたが僕の夜空に現れて
もう何年経ったのだろう
ある日見上げた空に
紅い星が煌めいていた

俯いて歩けば
下を向いていれば
その美しさに
目が眩むことも
手が届かないと
嘆くこともない

僕は泣くことも出来ずに
前をぼうっと見て歩いてた
とにかく足を前へ
右、左、右、左
リズム崩さずに

ある日小石に躓いて転んで
立ち上がれなくなった
カラダココロ何もかも投げ出して
仰いだ空にあなたがいた

星は星同士触れ合うことがない
宝石箱ひっくり返したような夜空に
光の数だけ散らばる孤独
煌めくあなたもまた
ひとりぼっちなのだろう

触れられないのに手を伸ばす
月には行けてもあなたには届かない
それでも辿り着きたいと願う
この気持ちを何と呼ぶの

心の死んだところから
新しく生まれ流れ出るこの想いを
僕は寒空に向かって
白く吐き出した

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