ロンド

人を傷つけた拳は
血を流すけど
人を傷つける言葉を
使った喉はどうなるのだろう
人を傷つける言葉を
打った指はどうなるのだろう
僕達は血塗れで生きている

少しずつではなく
掛け違えるように取り落とされ
狂ってしまったパーツを
どうやってあるべき場所に
戻せるというのだろうか

束の間の静寂と安寧は
破壊の予感に侵襲され
憎しみと愛は同じ質量で
人生にのしかかると身体で学んだ

全てが許されることはないし
全てを許せるわけもない
自分をコントロールしモノにするために
ひとつずつ並べてゆく
感情を

肥大した自尊心を
等身大に収めるために
生皮を剥がれる自己愛の痛みを
避けて通ることはできない

僕はうらやむ
正確に正常に組み上がった
彼等の輝くばかりの心を
僕は心からうらやむ

だがここで
闇を愛せないなんて嘆きはしない
本当のことを本当の言葉で
語る時が来たんだ

僕は怖い
そうさずっと
僕は怖くて仕方がなかったんだ

真っ直ぐに立ち
くるくる踊れ
僕を捕まえようとする腕をスルリかわし
最後でもいい
一度でいい
僕は僕として
舞いたい

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