救済

救いにしか希望が
なくなって誰の顔も
同じに見えるようになる

回帰を夢見て眠る以外に
抱くものがなくなって
侵襲を飲み込んだ先に
愛の成れの果てが転がる

人間だと囁いて
あなたが集めた人形の吐息
冬を待ちわびて泣いてる

夏が終わるって知らなかった
芽吹く前に焼けた種から
生まれた虫達の行先に
あなたの住まいがある

声のない生き物みたいに
沈黙した瞳
言葉にしないものは伝わらないか
意味を繋がない音が
耳に残って懐かしい

嘘にならないように
何も言わず時を流して欲しい
君の気配だけが
記憶に残るように

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