僕が間違っているとあなたは責める
僕が独りを望むのを薄情だと責める
僕が考えることを無駄だと責める

そんなあなたといて僕は
孤独以外の何を感じればいい?
だからあなたを愛するためには
僕は孤独を認める必要があるんだよ

誰から何を毟り取っても幸せは手に入らない
僕達は二人で何度も確かめた筈だ
優しく抱きしめ合い
違う命をあたため合って
恐怖の向こうで心を繋いだ時にしか
愛の味はしないのだと

僕の心は壊れたわけじゃない
空を知らず育ったんだ
僕はまだこの世界が
卵の中にあると信じてしまっている

君が呼ぶなら
僕は生まれる
なのに君は 君は
でもそれも仕方の無いこと
君もまた
叶わない願いがあることを
知らなければならないのだから

傷が癒えるように
僕は目を創り首を創り脚を創り
だんだん僕に成っていく
誰もいない深い海の底
シーラカンスに見守られながら

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