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循環

君は言うの
「求めて手に入れたらいい」と
私を手に入れようとした
あなたの手が怖かったのに

痛み誰かに押し付けて
私たちは同じ物語を繰り返している
その輪を外せば
求めなくても手に入れなくても
満たされる今ここですぐに

本当は持っているものを
隠しているのは誰?
本当は覚えているはずなのに
忘れさせるのは誰?
触れているのに離れていると
思わせているのは誰?

いたちごっこ続けて
辿り着かないのよ
しっぽ噛めなくても
私が撫でてあげてもいい

感じるの自分の形を
確かめるのあなたの形を
そんな夜だったらよかった

回帰願望の果てには何もない
孤独へと吸い込まれてゆく先で
絶望と共に悪意と出会う
支配しようとするのは何故?

奇跡を身体の中に宿して
海が満ちる時間
月の下であなたが涙を流す
頬を伝って帰っていけば
楽園も見えるだろう

誰もいなくてもそこは
あたたかいから
はじめてあなたに触れられる
そのよろこびよ

魔法瓶みたいね
ぬくもりを裡に留めるのは
何もない空っぽの空間なんだ
そこには何もかもがある
私とあなたが望んでやまなかったもの
すべてが

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