個と種

それは背反する
相対する
対立する

個としての欲と
種としての欲が
せめぎ合う時
それをフロイトはコンプレックスと呼んだ

個としての自分を捨て
種の位置に立ち返り続ければ
あるいは私のコンプレックスは
私を取り巻く破綻したシステムは
全て解けてしまうのかも知れない

そして
個としての私と
種としての私が
同時に望む方向が見えるだろう

胎内に孤独が無かったなどと
一体誰が言い出したんだろうか
ただその頃は全く違うシステムの中で
全てを支配されて何一つ選択できなかっただけ
そうよねぇ回帰を望むこころは
目も見えず耳も聞こえずただただ
支配され自由を奪われることを望む
そこにはさらに色濃い原初の孤独がある

それを取り戻すために
胎内めぐりをしたいと言うのなら
手を繋いでその暗闇を
そのトンネルを歩きましょう
ひとりで通った道を
ふたりで通ればそれは
それは

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