今夜だけ

サーカスナイト流しながら
思い出すあの夜のこと
僕が越えた沢山の夜のこと
どこにも辿り着かない
触れ合うこともなかった
孤独がふたつ
一人よりずっと悲しい夜だった

何故なんて
誰に問いかけてもわかりはしない
少しずつ一つずつ消えていく命を
どんな祈りで見送ればいいのか
僕は一人ではやっぱりわからない

死にたい僕を見つけた
あなたの心に宿った
僕の寂しさはもう消えただろうか
誰も誰かを背負ったりしなくていいんだ
僕ももう
一つずつ全部持ち主に返したよ

責められても逆上することさえ出来ない
全てわかっていて僕はやってきた
だから今夜
何もかも終わりにしてもいいとさえ思う

そんな夜はいくつあったのだろう
少しぐらいは未来に期待してた
いつかきっと同じ言葉で話せる誰かに
出会えるって信じてきた

優しさだけで出来た世界があるなら
そこはきっとゆりかごの群れ
眠りの中だけ安らかに

明日が欲しい
でも昨日を連れて行きたくはない
僕の汚れた心と体を
どうか雪が清めてくれますように
願っても願っても願っても
血の臭いが消えない

傷跡を舐めて
涙を許して
僕がただ僕であるだけでいいと
お願い夜が明けるまで
僕だけの味方でいて

音もなく
降り積もる雪
声もなく
死んでゆく小鳥
生まれ変わって何になるの
流されてゆくオフィーリア

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