ぽつり

ぽつり、君が言う
生まれて来なければ良かった、と
そんなに暗闇しか見えないかい
僕が傍にいるのに
そう言ったら君はまた
追い詰められるんだろう

ぽつり、君が言う
死んでしまいたい、と
それが救いに思えるぐらい
君は苦しいのかい
僕は君が好きだからまだ死ぬのはいい
そう言ったら君はまた
追い詰められるんだろう

ぽつり、君が言う
どこにも居場所がない、と
僕は木偶の坊だよ
ここにいたいと君に言って欲しい
君に求めるばかりの一人だ
なんて言えばなんて考えるばかりの

張り詰めて疲れ果てて
研ぎ澄まされながら鈍ってゆく
心を守るものをちょうだい神様
揺れる大地に立てと言うの

全部捨ててしまいたいよ
価値のあるものを全て粉々にしたら
一番意味のない僕が残るだろう
それでも立っていられたら
君の顔だって見られるだろう

ぽつり、君が言う
みんないなくなる
みんな私のことなどどうでもいい
必要とされない私に価値なんてない
そんな風に思う自分にまた絶望して
永遠にここから出られない

ぽつり、君が言う
助けてよ
でも僕にはその方法がわからない
ごめんね、ごめんね
僕は謝り続けた
君をそんなにも苦しめた
この世界の全部を僕は謝った
君がいちばん最初に傷つく前に
君を助けられなくてごめんね
ごめんね
ごめんね…