見出し画像

謝罪とジャスミンの香り

薔薇の香りに飽きたから
ジャスミンのボディミストを買ったのよ
気付いた?匂いが変わったこと
わかりゃしないわねそんな遠くにいちゃ

謝って欲しかったのあなたに
いいえ世界に
そして私気付いたのよ
謝らなくちゃいけないのは
私自身にだったって

一日中土下座したって足りないぐらい
私のこと虐めてきたわ
奴隷みたいにこき使って
気持ちなんか気にもしないで
心なんかないみたいに扱ったわ

「欲しがりません勝つまでは」
勝つために利用されたのよ私たち
結局負けたくせに
誰が償ってくれるの?
誰が謝ってくれるの?
………子供たちが?

ごめんなさい今までのこと全部
二度と知らんぷりなんかしないって誓うわ
だってあなたは一番そばにいて
私を愛し支えてきてくれた人なんだもの
そしてこれからも共に生きていくんだもの

誰も謝ってくれなくても私
あなたに謝るわごめんなさい
傷ついたあの夜あなたを切り捨てようとした
絶望したあの夜あなたを殺そうとした
味方が誰もいなくなったあなたを
暗闇に取り残して扉を閉め鍵をかけた

私しか知らない部屋で
あなたはずっとひとりぼっちだった
窓のない地下牢で
あなたはずっと飢えて泣いていた

そんなあなたからさらに
奪おうとしていたなんて
なんて残忍だったんだろう

誰が私に何をしようとも
微塵も関係なかったのに
あなたを守らなかった
あなたを愛さなかった

ごめんなさい
謝るわ償うわ
あなたに心があるって認めたくなかった
あなたの口を塞ぎ手足を縛って
深い深い海の底に沈めた

何が欲しいの?どうしたいの?
今何を感じてるの?
叶えてあげる、守ってあえる、愛してあげる
私だけがあなたを知っている
私だけがあなたを幸せにできる

ありがとう今まで私とずっと
一緒にいてくれて
ありがとう今までずっと私のことを
信じて待っていてくれて
ありがとう今までどんな痛みにも
耐えてきてくれて

さようなら世界の全てと偽りの言葉たち
さようなら愛に見えた幻たち

ほんとうを始めるの
現実を始めるの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?