見葬り

夢で君の後ろ姿を見た
幸せそうに
愛する人の手を握り
光の方へゆっくりと歩いていく
君の美しい後ろ姿を見た

僕は振り返って欲しいのか?
君にどんな言葉を期待している?
そのまま光の中に消えて
もう二度と会えなくなっても
君が幸せならそれで
それでいいと…

最初から結末が決まっていたかのように
僕は運命に抗えなかった
いや僕自身に向き合うことができなかった
だから君は僕を振り返らずに
行ってしまうのだ

「さよなら」の一言に
どれほどの君の寂しさが詰まっていたのだろう
すれ違い終わった愛は二度と戻らないと
僕は君を失ってもまだ気付いていなかった
一瞬一瞬がかけがえなく大切で
全てだったということに

そして今
君の後ろ姿に僕が出来ることは
見守ることだけだ
僕の憧憬も寂寞もここに留めて
そして君と共に見葬る

「さよなら」
いつか言わなければならなかった言葉
僕は君を手放す
君と一つになりたかった僕を手放す
君を守ることで救われようとした僕に引導を渡す
それが不可能だと知っていた君の寂しさを
僕は今僕自身のものとして抱く

魂が不滅なら
いつかどこかでまた会いたい
違う顔と名前でも
君が鳩で僕が猫でも
君を僕はきっと見つけるだろう
そして呼び合うだろう
その時僕はきっと
君を全部そっと抱き締めたいんだ

あとがき
(ジャンプの巻末コメントみたいなものを書いてみたかった)
今日寒すぎです風強すぎです。でもぐっすり寝たので謎の気分の良さ。ミニ湯たんぽと取っ手付き漏斗最高です。生活用品を充実させると幸福になれるって本当でした。でもコタツを出したのは間違いかも知れません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?