短詩(文)集51

1.あなたの孤独を消せなくてもそっと包み込むことはきっと出来る
2. どこかに求め探し続けたものがいつの間にか自分の中にあって
3.あなたの姿形ではなく気配を愛したから死ぬまで途絶えなかった
4.世界の全てだと思ったものが欠片の一つだと気付きたくなくて遠回りした
5.多様性を失えば全滅リスクが上がると彼は言った
6.芸術的なまでに知性的な彼は本心を誰にも喋らない
7.排斥の思想が生み出した夢の島に子供が群れている
8.100mlの香水は多すぎる 前の恋の匂いがする
9.長い髪はホウキで掃かれてどこかへ そんな幕切れでいい
10.新しい毛先をいじりながらあなたのことを考える
11.憧れに相応しい美しさを持って生まれた人の辿る道筋は
12.何でも準備が大切と言いながら髪をブロッキングして始まる朝
13.靴を履いたあと外出を迷うことはないからとにかく靴を履く
14.お茶漬けとかおかゆとかご飯のお風呂みたいで気持ち良さそうだね
15.服従か死か迫るあなたにもちろん愛はない
16. ちゃんとした人間なんていない 注文の多い他人がいるだけだ
17.底なしの恐怖が正義を主張する あなたは人じゃなく闇
18.聖地へ向かう道を辿る 物語の最後にはどうか静けさを
19.思い出しもしない 懐かしくもない そんな過去と違う道をゆけ

あとがき
近頃はひねりがなくなり、どこにでもあるような表現が増えているような気がします。まあ奇をてらうのが目的はないので、ありきたりな感じもまた良しとしています。最近の私はとてもありきたりなのだ。


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