マガジンのカバー画像

短詩集

78
運営しているクリエイター

2019年11月の記事一覧

短(連)詩集53

1.昏睡した孤独 2.嘘つきの下着は何色? 3.見え透いた嘘と詭弁のメニュー 4.愛のラベル剥がしたら全部腐ってる 5.僕は賢く冷凍保存 6.群れる生き物の脳みそはいつも孤独 7.猫になりたいと彼は言った 8.仲間が死んでペンギンが泣いた 9.そんなものだと狼が言った 10.愛は見えない触れない食べられない 11.赤ん坊は見えるし触り放題でその気になれば食べるのも簡単だから人は勘違いする 12.飢餓以外の理由で行動するためにお食事 13.変わるのは怖い

短詩(文)集52

1.公園で姉に怒鳴られる妹に幸あれと 2.無邪気を罪とする空気で人は息が出来るのか 3.夜が明けると一番美味しい林檎の樹が切り倒されていた 4.暗視カメラに映った般若の顔に見覚えがある 5.悪い虫を腹に飼うな 虫下しをやるから飲めよ 6.躊躇う時にはもう変わり始めている 7.羽化すればもちろん芋虫には戻れない 8.葉を食むのもよいものだときゅうりをポリポリ 9.あなたの傍らで蛹になり黄金色の眠りが私の全てを変える 10.雨宿りみたいな恋は見上げて虹を待ってる

短詩(文)集51

1.あなたの孤独を消せなくてもそっと包み込むことはきっと出来る 2. どこかに求め探し続けたものがいつの間にか自分の中にあって 3.あなたの姿形ではなく気配を愛したから死ぬまで途絶えなかった 4.世界の全てだと思ったものが欠片の一つだと気付きたくなくて遠回りした 5.多様性を失えば全滅リスクが上がると彼は言った 6.芸術的なまでに知性的な彼は本心を誰にも喋らない 7.排斥の思想が生み出した夢の島に子供が群れている 8.100mlの香水は多すぎる 前の恋の匂いがす