ねむれないよる

旅行の前の日。

ドキドキした日。

けんかをした日。

昨日寝すぎた日。

ただわけもなく。

そんなときは、

右に左に寝返りをうったり、

考え事をしたり、

考えを頭の中から追い払ったり、

いっそ電気を点けてノートを開き、考えを書きつけてみたり。

ねむれない時間。

携帯の画面で時間をみる。まぶしい。

さっきからもう1時間経ってしまった。

明日早いのに。

明日大事な予定があるのに。

ねむり方がわからなくなった。

わたしは昨日まで、一体どうやってねむりに落ちていたんだろう。

まぶたのことをかんがえてみる。

鼻から息を吸って、口から息を吐いて、深呼吸して、呼吸をととのえてみる。

横を向いてひざを曲げてみる。

重力を感じ、自分の重みを感じてみる。

カーテンの外が少し明るくなったようだ。

もう手遅れかも。ねむらないままでもうすぐ起きなくてはいけない。

そう思ったのをさいごに、いつのまにかねむりに落ちている。

めざましが鳴って、すこしだけ鈍い頭痛を伴って、朝がくる。

朝日がまぶしくて、あたたかい。

夜中に書いた変なメモが残っている。

ねむれないよるが通りすぎた。

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