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挫折を乗り越えて行け! ~NGT48『今日は負けでもいい』~

この曲は、NGT48の4thシングル『世界の人へ』のカップリング曲で、当時の研究生(ドラ3+2期生)たちのために作られた楽曲です。

頑張っているのに結果が伴わない、努力しているのに報われない、そんな失敗や挫折に悩むことの多い研究生たちに向けて、秋元Pが送ったエールのメッセージと言って良いのでしょう。

NGTのドラ3と2期生は、お披露目が約半年違いと、ほぼ同期と言って良いのですよね。
そのドラ3と2期生の加入者21人全員そろっての楽曲は、これが最初で最後になります。
この曲のMVは、もともと制作の予定はなかったのですけれども、シングルの特典DVDに収録されている彼女たちのショートムービーのオフショットを構成して、急遽制作されたのだそうです。
このときの研究生たちにしてみれば、いろいろな意味で、図らずも思い出深い貴重な1曲となったわけです。

1番Aメロ前半

思い通りには行かないもんだよ
そりゃ時には結果が出ない日もあるさ
あんな努力したのになぜ報われないのか?
腹を立てたってしょうがないだろう?

何事も、自分の思い描いた理想通りにいくことなど、めったにないわけです。
だからこそ努力が必要になってくる。
とはいえ、では努力すれば、その努力に見合った結果が必ず得られるのかと言えば、それもまたそう簡単にはいかないわけで……。
努力はしたけれども、目指している目標に対して、今の力量では足りなかったのかもしれません。
あるいは、努力の方向を間違えていたのかもしれません。
もしかしたら、そもそも努力だけではどうにもならないものを目標にしていたのかもしれません。
例えば、明確な基準が示されたフェアな評価ならともかく、他者のなんだかわけのわからない恣意しいが介在するようなものを目標にしても、努力ではどうにもならない部分が大きすぎますよね。
この場合は、努力の対象を間違えていたということになるわけです。
いずれにせよ、努力しても報われないというのは、何も特別なことではなくて、誰しもが一度ならず経験していること。
それに対していちいち腹を立ててもしょうがないのですよね。

1番Aメロ後半

挫折する度に嫌になって来る
何か夢を見ることや目標持つこと
目指すものがなければ傷つかずに済むから…
やがて大人は未来を見なくなる

失敗や挫折を繰り返していると、夢や目標を諦めてしまいたくなるかもしれません。
夢や目標を諦めてしまうのも、ひとつの選択肢として、必ずしも悪いことではないでしょう。
けれども、そんなに簡単に諦められるものであるのならば、その夢なり目標なりは、そもそも自分にとってさほど重要なものでもなければ好きなものでもなかったということになるのではありませんかね……。

傷つくのが嫌だから何も目指さないというのも、それはそれで良いのかもしれません。
けれども一方で、どんなに打ちのめされようが、どんなに傷つこうが、目指すものに向けて突き進まずにはいられないという人もいるわけです。
どちらが正しくてどちらが間違っているということではなくて、悔いのないように自分が選べば良いことなのです。

大人になると夢を持たなくなるというのは、若いときのような情熱を持ち難くなってしまうからというのもあるのでしょう。
仕事だったり家庭だったりを持つようになって、社会的な責任も大きくなってくると、何かに純粋に打ち込むという精神的、時間的な余裕がなくなってきますから、仕方のないことなのかもしれません。
それだけに、若いときの何かに純粋に打ち込める時間というのは、大切なものなのですよね。

1番Bメロ

遠回りをしよう 寄り道をしよう
急がずにゆっくり 歩いて行こう

失敗や挫折をすると、目標から遠ざかってしまって、何やら遠回りや寄り道をしているような気持ちになってしまう。
けれどもそんな遠回りや寄り道でも、そこでしか気づけなかったことや、そこでしか学べなかったものがあったりするものです。
目指す目標だけを見据えていると、いつの間にか視野が狭くなっていることもあるわけです。
そんなときには、遠回りや寄り道をすることで、もう少し広い視野で物事を見られるようになるかもしれません。
そう考えると、遠回りや寄り道も存外悪くはないでしょう。

1サビとラスサビ

今日は負けでもいい
毎日 勝てないよ それが人生
そんなに頑張るな
ダメな自分のこと 許してやれよ
全戦全勝 ありえないだろう
肩の力を抜こうよ
泣いた分だけ 明日は頑張ろう
いつかどこかで勝ち越そう!

常勝の人などいないのですよね。
それどころか、圧倒的大多数の人は、勝ちよりも負けのほうがはるかに多いのではありませんかね。
ですから、1回や2回負けたくらいで、自分はダメダメだなどと思う必要は微塵もないのですよね。
自分は負けてばかりだと思うと、ついつい落ち込んでしまいがちになりますけれども、なんのことはない、他の多くの人たちも同じように結構負けているわけです。
負けるのはありきたりなことなのだから、次は勝てるように頑張れば良いではないか、といったところでしょうかね。

2番Aメロ

ホントは結構 自信あったんだ
だって いっぱい 汗だってかいてきたからね
ずっと何もしないで楽をしていたのなら
こんな悔しい思いはしなかった

努力して自信もあったのに良い結果が出なかったときには、悔しくてしょうがない気持ちにもなるでしょう。
努力したそのぶんだけ悔しさも大きくなるというもの。
けれども、結果が良かろうが悪かろうが、努力したという事実は変わらないわけです。
努力したことによって、目標に少しでも近づいたのは確かなはずなのですから、自分のその努力を認めることです。

2番Bメロ

運のせいにするな 言い訳をするな
そう今の実力だ またやり直そう

「勝負は時の運」とも言いますし、実際のところ「運」に大きく左右されることもあるわけですから、そんなときには「運」のせいにしても構わないような気もしますけれども……。
まあ、結果に対する言い訳をあれこれ探すよりも、今の自分の実力を冷静に見つめ、何が足りなかったのか、何が間違っていたのかを分析し、次に活かしていったほうが建設的ではありますよね。

2サビ

次は勝てるように
素直に受け止める これも人生
そんなに落ち込むな
今日のいいところを褒めてあげろよ
長い道のり 近道はないんだ
もっと楽しんで行こう
負けた分だけ 誰もが強くなる
叶わぬ夢も夢のうち

長い人生の中では勝つこともあれば負けることもある。
どちらかというと、負けることのほうが多いのが、一般的な人生と言えるのかもしれません。
そう考えると、ひとつひとつの勝ち負けに、いちいち一喜一憂する必要などないのかもしれません。
今の自分の良いところを認めながら、目標に向かって楽しく歩んで行けば、それで良いということなのでしょう。

失敗や挫折を経験することで人は成長し、より強くなっていくものです。
夢が叶うかどうかはわかりませんけれども、夢を抱いて、そこを目指して突き進んで行けば、自分自身は確実に成長していける。
その道程は、苦しかったり辛かったりすることも多いかもしれません。
けれども、そういったことを全部ひっくるめて、充実していて結構楽しかったりもするわけです。
それで良いのではありませんかね。

引用:秋元康 作詞, NGT48 「今日は負けでもいい」(2018年)


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