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初心に返って自分を見つめ直す ~STU48『原点』~

この曲は、STU48のセカンドシングル『風を待つ』のカップリング曲。
何かを目指して、あるいは何かを求めて必死になっていたけれども、何か違うのではないかと気づいて、一度初心に戻ってみようといったような内容の曲になります。

1番Aメロ

誰かに足を踏まれ
痛みを感じて気づく
僕も誰かの足
踏んでるのだろう

例えば、ラッシュ時の電車に乗っていると、別にわざとやっているわけではなく、何かの拍子で人に足を踏まれたり、逆に思わず人の足を踏んでしまったりというようなことがありますよね。
転じて、他人の何気ない言葉や振る舞いによって傷つけられたことによって、もしかしたら自分も気づかないうちに他人を傷つけるようなことをしているかもしれない。
ということを言っているのでしょう。

1番Bメロ

人混みの中 歩いてくことが
嫌になってしまった
アスファルトじゃなく
懐かしい土の上を歩きたくなった
Uターン

これまで何かを目指して懸命にやってきたけれども、懸命になるあまり、人に先んじようとしたり、人より上に行こうとしたりといったようなことばかりしていて、知らぬうちにいろいろな人を傷つけてきたかもしれない。
ふとそんなことに気づいて、こんな殺伐とした冷ややかな場所にいるのが嫌になったといったところでしょうか。
「アスファルト」というのが、その殺伐とした冷ややかな場所を意味していて、「懐かしい土の上」というのが、ほのぼのとした暖かい場所、それは、夢と希望に満ち溢れた初心のころの自分がいた場所を意味しているのでしょう。

1サビ

何かが終わるなら
次の何か始めればいい
夢から覚めるなら
違う夢を見てみようか
僕は原点に帰るよ

挫折して、今まで思い描いていた夢も色褪せてしまったのなら、新たな夢を描いてみれば良い。
そして、また新たな何かを目指せば良いではないか。
それは、初心に返って自分を見つめ直すということに他ならないのではないかといったところでしょうか。

2番Aメロ

誰かと競い合って
何かを手にしたって
やがてそれ以上に
自分失った

人と競わなければならない環境に身をやつしていると、人に勝つこと、人より上に行くことばかりが気になって、いつの間にかそれが目的化してしまう。
挙句あげくの果てには、人を出し抜いたり、欺いたり、貶めたりといったようなことまでするようになってしまうこともある。
そんなすさんだ状況に身を置いている自分に虚しさを感じてしまったのでしょう。

2番Bメロ

高層ビルを目指して来たのに
道に迷ったらしい
ダイヤモンドなら
ここじゃなく もっと近くにあったなんて…
ジーザス

「高層ビル」というのは、当初掲げていた高い目標とか夢とか、自分が目指していたものを指しているのでしょう。
いつしかそういった目指していたものを見失ってしまって、あらぬ方向に進んでいってしまっていたということでしょうかね。
「ダイヤモンド」は自分にとって価値のあるものを指していて、そういったものは、方向を見失ってたどり着いた先にはなくて、本当はもっと身近にあったものなのだと気づいたということでしょう。

2サビ

何かを始めても
うまくいくと限らないんだ
失敗してみなきゃ
宝物は見つからない
夢の原石を探そう

最初は希望に胸を膨らませて始めてみたけれども、あらぬ方向に行って失敗してしまった。
けれども、失敗してみなければ、自分が本当に求めているものが何なのかは気づかない。

Cメロ

戻ってみればいい
生まれ育った大地に
人生はいつだって
やり直しができる 何度も…

「生まれ育った大地」というのは具体的な場所を指しているわけではなくて、何かを始めようとしたときの初心のころの自分自身のことを意味しているのでしょう。
失敗してしまったのなら、あるいは間違えてしまったのなら、初心に返って自分を見つめ直し、もう一度最初から始めてみれば良いではないかということでしょう。

ラスサビは1サビと同じ内容。

純粋な気持ちで何かを始めて何かを目指していても、時が経つにつれて、いろいろと余計なものがまとわりついてくる。
そしていつしか、目指していたものが目的ではなく手段になっていたり、あるいは目指すことが楽しみではなく義務になっていたりすることもある。
そして、あるとき気づくわけです。
いったい自分は何がしたかったのか、何を目指していたのか?
そう思うようになったら、今一度原点に立ち返り、自分が本当に求めているものは何なのか、自分自身を見つめ直してみるのが一番良いのかもしれませんね。

引用:秋元康 作詞, STU48 「原点」(2019年)


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