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青い空へ ~SKE48『目が痛いくらい晴れた空』~

この曲は、加入してまだ間もないころのSKE48・5期研究生の楽曲です。
SKE48の5期生といえば、今や選抜常連の江籠裕奈や、シングル表題曲のセンターを務めたこともある古畑奈和や宮前杏実、後に劇場の鉄人と称されるようになった市野成美、48G屈指のダンスナンバー『Escape』のセンターを務めた山田みずほ、NHK紅白でバック転を披露した藤本美月など、粒ぞろいのメンバーたちがいた期でもあるのですよね。
そんな5期生たちが、夢や希望に胸を膨らませて、初々しい歌声で爽やかに歌っているバラード曲です。

1番の歌詞

頬を膨らませて
風船に息を送る
胸に溜め込んでた
願いをそっと吹き込むように…

「胸に溜め込んでいた願い」というのは、ずっと胸に秘めていた夢や希望のことを指しているのでしょう。
そして、「そっと吹き込むように」とあることから、それらは人に明言するにははばかられるような、もしかしたら笑われてしまうかもしれないような、とても大きな夢や希望なのではありませんかね。
「風船に息を送る」というのは、そういった願いを、空高くへ舞い上がる風船に託すということなのでしょう。

大きな夢や希望を抱いてSKE48に加入した5期研究生たち。
その夢や希望をSKE48というグループに託したわけです。
つまり「風船」というのは、SKE48というグループの隠喩になっているのではありませんかね。

1サビ

空は目が痛いくらい晴れている
雲のない青が続いている
風よ 遠いどこかへ連れてって!
いつの日か
私の夢 叶う場所

目が痛いくらい晴れている空というのは、まぶしいほどに晴れ渡っていて、光に満ち溢れている空ということです。
そして、「雲のない青が続いている」ということは、さえぎるものなく空いっぱいに青が澄み渡っているということです。
ここで、「空」は自分たちを輝かせてくれる場所、例えば劇場のステージなどを表し、「青」は青春を表していると捉えることができるのではありませんかね。
さしずめ、青春をステージに懸けているといったところでしょうか。

「風」というのは、自分たちを応援してくれるファンだったり、サポートしてくれる周りの人たちだったりを象徴しているのでしょう。
つまり、サビの後半では、自分を支えてくれる人たちのチカラも借りて、いつの日にか夢を叶えたいと願っているわけです。

2番の歌詞

もっと空気よりも
軽くなきゃ浮かばないね
何度も失敗して
心のもやもやを捨てるんだ

夢や希望には、叶うのだろうかという不安が常に付きまとうものです。
その不安は、夢や希望が大きければ大きいほど大きくなる。
そういった不安や自分の力不足などで、なかなか先に進めなかったりもする。
そんな様子を、風船が高みに昇っていけないことに喩えているのでしょう。
重しとなっている不安や力不足を払拭ふっしょくするためには、経験を積んで力を付けていくしかなく、その過程でいろいろと失敗することもあるでしょう。
けれども、そういった経験を積むことで成長していけるわけです。
つまり、重しが取れて軽くなり、高みへと昇っていけるのです。
ここでは、そういうことを言っているのではありませんかね。

2サビ

空は目が痛いくらい鮮やかに
迷いない青に塗られている
風よ 私のために吹いて欲しい
ぐんぐんと
高く高く 未来へと…

青い空の鮮やかさは、青春の輝きを表しているのではありませんかね。
つまりここでは、夢や目標に向かって、迷わずに青春を駆け抜けて行くということを表しているのでしょう。

「風よ 私のために吹いて欲しい」というのは、まだまだ非力で頼りない自分の背中を押してほしいということなのでしょう。
そして、遠い未来へと向かって、自分の夢を叶えていきたいということを言っているのではありませんかね。

ラスサビには最後に次のようなフレーズもあります。

愛よ 人にやさしくなりたいの
いつだって
夢見ながら 微笑もう

夢を叶えようと懸命になっているときというのは、なかなか心に余裕が持てないものです。
けれども、そんなときであっても、人に対する優しさだけは忘れずにいたいということなのではありませんかね。

この曲は、自分の夢や目標を叶えるために、未来に向かって進んでいくSKEの5期研究生たちの姿をイメージして作られた曲といって良いのでしょう。
その5期生たちも、江籠裕奈が今年いっぱいで卒業することにより、SKEから全員いなくなってしまうのですよね。
彼女たちは、それぞれに自分の夢に向かって、青い空を駆け抜けて行ったのでしょう。

引用:秋元康 作詞, SKE48 「目が痛いくらい晴れた空」(2012年)


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