フォローしませんか?
シェア
山盛り怪文書
2018年11月4日 21:01
背の高いその女はジェスと呼ばれていた。宮廷道化師(ジェスター)だったからだ。ジェス。ミルクティー色の巻き髪と陽光を撥ね付ける白い肌。図書館司書のような雰囲気を持つ女。口数は多い方ではないが美しい声をした女。女王の無聊の生を慰めるためだけに存在する女。『ジェス』は女王に付随する概念であった。女の名はリマ・コーク。穴の内面を滑らかにする工具と栓抜きの名称を合わせ持つそれは女の生まれもった名では