小さく脆い器に、大きく美しい魂が詰まった「レオリーノ」が愛おしいって話。@背中を預けるには

Twitterでは散々泣き喚いておりますが。

「背中を預けるには」 小綱実波・著(KADOKAWA Ruby collection刊)

読み終わりました。

いやもうこれ…凄かった。

数ページ読んでは涙が溢れるから本を伏せ、戻したら該当ページだからまた鼻水が溢れてきて、でもこのままだと進まないから、顔から滴る汁をそのままに読み進めを何度繰り返したか。

問題はこの本、1冊の厚みが3センチくらいあって、更に2段組が3冊という「超大作」な所でしょうか。

あ、安心してください、読み始めたらもうあっという間に読み終わりますから(涙流す時間を含まなければ)。

分厚い小説は正直「読んで!これ読んで!すぐ読んで!」ができないのが玉に瑕で、今語り合える人が身近にいない。さてどうしよう。どうしてくれようこの胸に渦巻く感情の消化方法が!ない!

と言う事で、noteに吐き出してみることにします。

とは言えネタバレは嫌なので、今回は主人公である「レオリーノ」くんについて、私の勝手な感情、感想、愛情を語ってみようかと思います。

レオリーノくんは、とある国の辺境貴族の四男坊。四人兄弟の末っ子で、上の三人が父親似でごっついのに対して、リーノくんだけママ似で…というか、この世にこんな綺麗な子がいるのか!ってるくらいの可愛く麗しい少年です。

しかし、その美しさに自分では無頓着。

いるでしょ、よく、自分の美しさを鼻にかけるやつ。そういうんじゃなくて、どちらかと言えば自分も兄たちみたいにがっしりした体になりたいな、と思ってたりする、普通の男の子なのです。

リーノくんが住んでいるのは、簡単に言って仕舞えばど田舎で、でもただのど田舎ではなく、その向こう側は過去、こちらの国に攻め入ってきた国を抱えている「最後の砦」的な立地なのです。辺境貴族だけど、国内でも一目置かれている辺境貴族の四男坊。

とは言え今は平和だし、リーノくんも普通に大きくなったら都会に出て学校に行ってみたり、色々してみたい事もある、ただ目に余るほどの美しい少年だったのですが…

ここからネタバレになるのでさらっと書きますが、ある日命の危険に晒されます。

12歳にして、生死の境を彷徨います。

ここから過酷なレオリーノくんの物語後始まるのですが。

そんなレオリーノくん、実は普通の子供とは少しだけ違う所がありまして。

夜見る夢の中ではどうやら自分は「イオニア」という人物で、王都に住む平民の男の子だ、ということ。

ルックスは悪くないけど、目を見張るほどでもない。ただ瞳の色がレオリーノくんと同じ、紫の特別な色だと言う事。あと、夢を見ているレオリーノくん自身が「あ、これは自分だな」と思っている事から、イオニアはレオリーノの「前世らしい」ということ。

そんな夢が引き金になり、命の危機に。

あらこれ序盤のあらすじじゃん。

あ、安心してください、これまだ1/10にもみたないからw

まあ、そんなこんなで物語が始まっていくのですが。

とにかくですね。

レオリーノくんが、素直で頑張り屋さんで可愛いんです!

こんな軽い言葉じゃ足りないくらいの素直さと頑張りなんですけどね。ほら、ネタバレになるから…

レオリーノくんは、大切なものの為なら自分がどうなってもいい!とすぐ思ってしまうんですよ。それで周りの人々がどれだけ苦しむかに思い至っては死ぬほど反省する、を繰り返すのですが(と言うか、その段には大抵本当に死にかけていたりするのですが)。

健気で頑張り屋で、だけど弱い自分を許せなくて、何とか人の役に立ちたいし、大切なあの人の為に自分ができることをしたい!何としても!という子。

これ、愛さずにいられる?私は無理。かわいい。もう頭抱え込んでグリグリしたいくらい(多分レオくんのダーリンにぶっ殺される)

レオリーノくんが夢に見るイオニアくんは、体格に優れた戦士だったので、余計に貧弱ですぐ死にそうになる自分を許せなかったり、でもこうやって生きているのは沢山の人のおかげだしと苦悩する姿も愛おしい…

あ、ダメだ、何を書いてもネタバレになる。どうしようかな…

えー、ひとつだけ持論をねじ込んでおきます。

レオリーノくんが生まれたのは、イオニアくんが亡くなった丁度その時なので、あらすじやら紹介文に「イオニアの生まれ変わりのレオリーノ」って書かれていますが、私はそれもそうだなと思いつつ、レオリーノくんの身体の中には、「元々レオリーノとして生まれてこようとする魂」と、「何としても伝えたいことがあるイオニアの魂」の二つが詰め込まれているんじゃないかな、と思っていたりします。

イオニアの最期は壮絶で、その近くにいたレオリーノの魂が、イオニアの魂を一緒に身体に入れてくれたんじゃないのだろうか、と、勝手に夢見ていたりします。

一つの小さな身体に二つの魂が入ってる。

その魂は二つとも美しく、強く、真っ直ぐで、大切な人の幸せを願い続ける、宝石のような魂。

あらやだ。夢見る乙女だねこれ。

でもね、これ、読んでもらえれば同意してくれる方結構居るんじゃないかと思うんですよ。

素直にイオニアの生まれ変わりでも全然いいんですよ。イオニアもとても強く、優しく、無己な魂の持ち主だから。

ふー。全然愛叫べてないけど、長くなったのでこれはここまでとします。

レオリーノ、生きて生きて、最後まで生きてね!


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