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やさしさが溢れる微笑み         「半跏思惟像」 7世紀後半 奈良・中宮寺

<「美の巨人たち」テレビ東京放映番組(2016.7.9)で、印象に残ったコメントより引用>

 飛鳥時代の奇跡の仏像。日本で第一級の仏像。古代仏教彫刻の最高傑作のひとつ。

「国宝 半跏思惟像」(奈良・中宮寺 所蔵 7世紀前半)

左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで座り、右手を頬に添えて思案する仏像を、「半跏思惟像」という。このような座り方を「半跏」といい、物思いに耽ること=「思惟」が、その名の由来である。 

 仏教伝来と同じく、この像も母国・インドにはじまり、中国、朝鮮半島、日本へと伝わった。日本や朝鮮半島では、6から8世紀の間に多くの像がつくられ、そのなかには、古代仏教彫刻の傑作といわれる仏像がある。中宮寺門跡蔵の「半跏思惟像」がそのひとつである。

 柔らかい微笑み、ゆったりとした姿勢などの新しい表現が、清楚で上品な雰囲気を醸し出している。中宮寺門跡では、聖徳太子が母君、「穴穂部間人」(あなほべのはしひと)皇后のお姿を刻まれたと、言い伝えられている。

 番組では、今回が初公開。現存している像に残された、数々の色塗りのかすかな痕から、科学技術を駆使して、7世紀後半制作当時の姿を、再現した「エキゾチックな装飾を身にまとった半跏思惟像」を浮かび上がらせた。

半跏思惟像

 完成当時の真の姿は推測でしかないものの、仏の慈悲があふれていて、観るひとの心を離さないオーラを感じてしまう。

写真: 「美の巨人たち」放映番組(2016.7.9)より引用

<番組を視聴した私の感想コメント>

 聖徳太子が唱えた「和を以て貴しとなす」そのものを、体現しているかのような姿は、立ち止まって観ていると、吸い込まれそうになるくらい、日本的なというか、和的なオーラを感じてしまう像である。

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