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TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT に参加して【せとなみTC】

8月20日に大阪ヤンマーフィールド長居(長居第二)にて行われたMDC大阪大会の山田視点の振り返りになります。

本大会に出場した当クラブ所属選手の田阪亜樹・大崎倖士朗は、2日後の8月22日(日)に行われる中国五県陸上(中国ブロックの選手権)に出場するため、試合スケジュールに組み込むか悩んでいました。

また、エリートレースの600ⅿが実施されるため、800ⅿにはトップ選手は出場しないと予想され、その部分も悩む判断材料となりました。

ただ、環太平洋大の中長距離コーチ吉岡利貢さんより、多くの学生選手を参戦させることと、MDCという日本陸上競技中長距離改革の記念すべき第一回に参加することへの意義を教えていただきました。迷わず参加を決定!!

MDC+中国五県のセットで練習計画を組みました。特に大崎選手に関しては新社会人として、某電気量販店に通常勤務(サービス業・営業のため基本的に土日勤務)しているのでMDCの金曜日開催はとても助かったようです。

田阪選手はエリートレース600ⅿに組み込んでいただき、大崎選手は800ⅿに出場となりました。

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行動予定:大会情報に沿って

当日までの情報としては、宿泊の関係からもう少し早くタイムテーブルや前日練習の情報が出てくれたらうれしかったです。

レース自体は午後から、エリートレースは夕方からと予想したので、たまたま予想が的中してよかったですが、広島に住む私たちにとっては、宿泊が必要かどうか、前日練習として会場が使えるのかどうかの情報は行動予定に大きく関わるので早い方がとても助かります。

会場の待機場所やウォーミングアップ場所は、注意事項などであらかじめ示されたので把握済み。当日は雨によりさらに場所などが限られていたので、できる限り選手への負担をなくすために宿泊プラン(レイトチェックアウト)や当日入りの判断などをうまく利用する必要がありました。

田阪選手は、19日の前日練習を岡山県営補助にて、午前に行ってから大阪移動(車)→宿泊の行動プランにしました。

大崎選手は、前日は勤務であったため勤務後に移動するか悩みましたが、レースが午後からであったのと、前泊してもチェックアウトから競技開始までの時間が長いこと、天候が雨のため待機場所が確保できる保証がないことから当日入り(新幹線)を選択しました。

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大会当日:来場・受付~ウォーミングアップ

大会当日の天候は15時ごろまで雨が降る状況でした。受付や更衣室は長居第一にて、競技は長居第二でした。私たちの来場が12時過ぎでした。受付の方々はとてもスムーズに検温・受付チェック・協賛提供品の受け渡しを機械的ではなく、目と目を合わせて行ってくださったのが印象的です。競技場から受付が離れていたので、受付の人もレースを見ながら業務をしたいだろうなと勝手ながら思っていました。

ウォーミングアップは雨の中、競技場内はバックスタンド裏の直線路または公園内。16時ごろから晴れ始めたので、エリートレース600ⅿに出場する選手の多くはバックスタンドでウォーミングアップを行っていた印象でした。

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出場されるトップ選手も超豪華でしたので、バックスタンドで観戦している来場者はトップ選手のウォーミングアップをとても目を輝かせながら見ていました。確かに、こんな近くでトップ選手のドリルや流しを見る機会は長居第二だからこそもっと近くなったのだと感じました。

選手同士の会話も聞こえる近さなので、観戦者が逆に小声で会話されていてウォーミングアップ中の選手に配慮されているのが印象的でした。

アスリートビブスは、個人名が胸面+ナンバーが背面と超豪華、裏にはサインやメッセージが書けるようになっていました。

新たな取り組みのひとつ。今回は雨もあり選手も余裕がなかったですが、「サインください」「いいよ!」の流れができればもっともっと参加者が楽しめて、交流ができて、選手のファンが増えていいなと思います!

レースは音楽や実況・アナウンスが止めどなく行われていて参加者を飽きさせない雰囲気ができていました。

特にびっくりしたのが、女性のアナウンサーで「私は流しに行く姿をチェックしてます」とマニアックなところまで言ってるなぁと思っていたのですが、それが卜部蘭さんだとは大会後、田阪選手に教えてもらうまで気づきませんでした。

卜部さんの声質がしっかりハッキリされていたので、マイクを持っての素人感を感じませんでした。横田真人さんはすでにテレビや大会で実況解説されているのでわかりましたが、卜部さんは分かりませんでした。それくらい声質を含めてアナウンサーお上手でした。


レース前の選手紹介もしっかりとされていて、大型ビジョンに写されるのは観客の反応は「かっこいいー」と盛り上がっていました。

やはり写真がある選手は「おー!」になるのですが、ない選手は「ぉー(あの選手かー)」くらいなので、編集が超大変だと思うのですが、エリートレースだけでも出場選手のものを用意するのはより盛り上がると感じました。

また、YOUTUBEの配信用にビデオカメラが一人一人に当てられていました。この部分も早めに選手に伝えることができれば、MDCだからこそ各選手のポーズやパフォーマンスも準備できた人はいるのかもしれないなと思いました。レース前にカメラを向けられることに慣れていなかったり、オリンピック後なのでカメラパフォーマンスのイメージもある程度できている状況だと思ったので、福島・東京大会に出場される選手はしっかりとアピールしてみてほしいです!

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バックスタンド側で観戦してみて

完全に観客としてバックスタンドに移動したのがエリートレースの600の前からでした。この時間から晴れていたので、バックストレートギリギリの柵まで難なく観戦することができる状況でした。

北海道のホクレンディスタンスチャレンジや、宮崎県のゴールデンゲームスin延岡といった観客がトラックギリギリまで応援できる大会(できるできないではなく、大会自体がひとつの強みとして観客が選手の近くで応援することでパフォーマンスを後押しすることを目的としている大会)は関西や中国地方には少ないです。

それもあってか、エリートレース1発目の男子600はスタンドとトラック側は半々くらいでした。1組目が終了して、女子の1組目から少しずつトラック側に降りてきた人が増えてきました。

エリートレースとあってそれぞれの選手の強みや好調具合を知っている方が多く、見どころもしっかりと理解されながら会話されているのがあちこちでとんでいました。コロナでなければ、みんな大声で応援できたし、もう3レーンくらい内側に入れたと思います。そんな環境としては出し切れていない中で、多くの日本新記録や日本最高記録が更新されていきました。

個人的には松本選手(法政大)が完全に600ⅿを短距離走としてぶっ壊しに来た姿が一番印象的でした。これがあったからこそ、この後のエリミネーションマイルも観客は「中距離レースは目が離せない」と印象付けることができたと思います。

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大会まで記録的な大雨や、無観客試合が続きほとんどの来場者が「久しぶりにこんな近くでアスリートを応援できる・観戦できる」と思っていたと思います。また、ナイター照明がついた事にもテンションが上がる方が多かったと感じています。


これは勝手な考察ですが、雨続きで久しぶりの晴れ間であった事・無観客試合がほとんどだった事・近くでトップ選手のエリートレースを見れること・ナイター照明がつきこんな時間まで陸上だけ心を奪われて浸っていられること・お祭りなどが無くなりイベントや楽しみが少なくなっていたこと…そんなことが相まって、本当に多くの方が楽しんで帰られたと思っています。

最後に非公認の一般レースを持ってきたことにより、エリートレースに出場された選手の多くがペーサーとして一緒に走られました。

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招集所にいる参加者の方から声が出ていたのは「マジで!?」「ラッキー!」「こんなに一緒に走ってくれるの!?」「サインもらいたい…」等々聞こえてきました。一般の方がトップ選手に話しかけるのはみんなご遠慮されている感じだったので、本当に時間が無限にあり、コロナなどなければ、レースを通してもっともっと交流できる瞬間になれると思いました。本当に走られている方が終始笑顔で、ペーサーに声をかけてもらえて一生懸命走られている姿は幸せそうでした。

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小学生レースももちろん盛り上がりましたが、大人の方が根本的にトップ選手のファンの方が多いのでモジモジされている感じや幸せそうな雰囲気は間違いなくオトナのレースの方があったと思います。

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最後に、エリートレースの後から会場の雰囲気が締まりました。もちろんレースの内容が日本最高峰だっただけにそうなのですが、その雰囲気を公認競技に出場された選手はレースが終わっていたので「今走れたら絶対いけると思います」という人は多いのではないかと思います。

やはりそれくらい、トップアスリートのレースは多くの方に勇気と可能性を与えてくれると思っています。

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エリートレースが地方で行われれば、少しずつかもしれませんが間違いなく地方陸上に普及と発展につながると感じました。

私は、岩国市陸協様や関東学院大GMならびに大宅楓選手(大東建託パートナーズ)のコーチである上野敬裕様と協力して地方陸上競技会にトップ選手を招いてシーズンイン岩国の開催をサポートさせていただきました。

TWOLAPSメンバーはすごい速度で大きな事を成し遂げていっているので、私自身も自分のクラブや地域も含めて、一歩踏み出したチャレンジしなければいけないと痛感いたしました。

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協賛の部分では、㈱ONE COACH代表の林田さんも大会に協力していた姿を見て、サポートの部分でも何かできるようになりたいと思います。林田さん達ACCEL TCの方々には昨年コロナ禍でのオンラインセミナーで大変お世話になりました。。たくさんの方がいろんな形で支え合っている姿を見て、私も大きくならないといけないと感じています。

私たちはまだまだ小さなクラブですが、TWOLAPSやACCEL TC、阿見ACのように大きくできるように頑張ります。

ほっこりした話

アスリートビブスの番号抽選で、トップ選手のサインがもらえるという抽選会が途中で行われていて、それに当選した番号のお兄さんが、サインが欲しいと言っていた他のご家族のお子さんに「僕の番号は当たってるから、僕のをあげますよ!これで選手のサインもらえるね」というやり取りがありました。

無事もらえたかどうかまで見届けていませんが、コロナ禍でマスク社会で人と人が疎遠になる世界。顔が見えにくいからこそ、しっかりと相手に言葉で想いを伝えることでもっと人の心は動くよなと感じました。




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