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#13 窯神神社に行ってみよう

 せともの祭は窯神神社の祭礼にあわせて廉売市を行なったのがはじまり。その窯神神社には磁祖・民吉が祀られています。
 加藤民吉の誤解されがちな九州修行は前回書きました。

 意外と瀬戸の人でも行くことがないかもしれないですが、やっぱりせともの祭前にはお参りしておかないとね、ということで、ちょっと窯神神社まで出掛けて来ました。

窯神神社はこの緑の丘の上に鎮座しています。

 名鉄瀬戸線の終点、尾張瀬戸駅降りて駅裏手に進みます。北側の丘の上、こんもりと緑の木々が見えるあたりが窯神神社です。ずっと坂を上がって行きますね…。
 瀬戸って川を挟んで坂が多いんですが、この傾斜が登り窯には必要だったんです。でも、煙突がいっぱいあった風景は昔の話、今はその窯跡もこのあたりにはありませんが。

磁祖加藤民吉出生之地

 駅裏バスロータリー北東には「磁祖加藤民吉生出生の地」の碑があります。結構、駅ちかで生まれたようです(もちろん当時は電車も駅もないのですが)。

「柞の木」。

 この碑の横に1本の木が植わっています。「柞(イス)の木」。これは民吉九州修行の際に磁器染付の釉には柞の灰が良いというのも持ち帰った知識・技術のひとつ。

 ここから右手奥の坂を登って行きます。

最後の階段 登り切ったところ

 歩いて神社に行くと最後はこの階段。あ、車で行くと境内東に数台分は駐車場あります。

展望台から

 境内にはわりと新しいトイレと展望台があります。ここから眺める瀬戸の街もいいですね。

拝殿

 拝殿の奥に本殿があるのですが…。

本殿

 窯神神社の本殿。神社って言うと木造というイメージですが、ここの神社は拝殿も本殿もコンクリート造り。さらに本殿は登り窯をデザインしたモダンな作り!ちょっとめずらしいでしょ。
 ちなみに普段は社務所も無人。誰もいません。

残心之杉と「飲水思源」の碑

 残心の杉はもともとは九州修行を終える際に民吉が佐々の地に植えてきたとされます。ここの杉は修行200年記念の際にここに植樹されたもの。「飲水思源」の碑は天草への感謝を忘れないという意。瀬戸から天草・東向寺に贈られた碑に対して天草から贈られたもの。天草陶石に彫られています。

加藤民吉像

 境内の中心にある民吉像。瀬戸を紹介するパンフレットなどでもよく見かけますね。染付の筆を持ち、壺をしっかり見ています。

津金父子の頒徳碑

 大きくそびえる石碑。津金父子は尾張藩で磁器開発などに尽力、磁器試作や民吉の九州修行にも大きく関わりました。

 先ほどは境内から南の瀬戸の街の景色を紹介しましたが、この神社のすぐ北側は粘土鉱山跡になっていています。駐車場からちょっとだけ見えそうかなぁ。結構木々が邪魔していますが、なんとなく雰囲気はわかると思います。

 陶祖が祀られている深川神社(陶彦社)とセットで回ると瀬戸焼の陶祖と磁祖の歴史が伝わる気がします。

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