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心からやりたい仕事が見つかったとき、私は46歳になっていた。

野本響子さんのマガジンを定期購読しています。
30代後半のとき、どんな仕事をしたらいいのかわからず、
何をしたらいいと思う?と周りに聞きまくって、またその質問?と呆れられていたことを思い出します。

44歳から46歳にかけて、キャリアでいえば空白の時間ができました。いまも仕事をしていませんが、ぼんやりしていた方向性が急に確信になってきたかもしれず、備忘録として今日はそのことについて書いてみます。


会社を辞めてから8年が経ちます。第二次ベビーブーム世代の私は、女性は結婚して家庭に入ることが幸せの象徴とされる昭和の価値観のもとに育ち、30歳を過ぎてから、「結婚=幸せ」or「独立=成功」のような2択の罠にはまりました。読んではいないけれど、30代以上・未婚・子なしは負け犬という「負け犬の遠吠え」という本が世の中を賑わせ、自分がそのまま当てはまったことが拍車をかけたかもしれません。

「24時間戦えますか」というCMがとうの昔に終わっているのに、私は24時間戦っていました。会社員の頃はプライベートよりも仕事優先の生活が当たり前だと思っていたし、自営業になってからは時間的拘束から解放されたものの、ますます仕事とプライベートの境界がなくなり、より一層24時間仕事のことで頭がいっぱいになっていた。

仕事人間で生きてきた25年を経て、44歳になって初めて「仕事をしない」という生活を経験しました。あっ、いや、いまも仕事をしていないので継続中の3年目です。。。最後の仕事はSNSをフル活用していたので、そこから距離を置くことは社会と隔離された生活に等しいものとなりました。長年暮らしていた東京からも離れたほとんど知り合いのいない土地で、1人で毎日ただ外を眺めたりしながらゆっくりとした時間を過ごしていました。

3ヶ月くらい経った頃から、だんだん自然の美しさが心のなかに溶け込むように感じられ、また文化的なものに関心が向くようになりました。
ああ、私はこういうものに心が動く人間なのかと、それまで全く気が付きもしなかった自分の知らない一面に遭遇しました。それ以来だんだんと自分の外側にある情報に左右されず、本当は何が好きなのか、何をしたいのか、自分自身の軸を探ることができるようになった気がします。

そして、また再び仕事をするときは、今度はお金のためや生活のためではなく、自分の心が満たされる仕事を選ぼう。そう考えるようになりました。そして同時にどんなライフスタイルを送りたいのかを明確にしました。

仕事選びは月並みですが、好きなこと、やりたいこと、やってあげたいこと、貢献したい事などを挙げ、そして、お金をもらわなくてもずっと続けたいことを考えました。ほぼ趣味のようなものですが占星術、天体観測、写真を撮ること、本や漫画を読むこと、料理を作ること、海に行くこと、子どもと遊ぶ、洋楽を聞くこと・・・などなどを並べていきました。

仕事は誰かにサービスを提供することを想定し、占星術が好きならお客さんを占うことが仕事にする?それをしたいか?と自分に問いました。この答えNOです。私にとって占星術は自分を知るツールの1つで、友達との雑談で話すレベルの楽しみです。天体観測が好きならプラネタリウムで働く?これも答えはNO。好きな時に星空をゆっくり眺めたいのです。このように好きな事を仕事にする場合に何ができるのか考え、それをやりたいかな?と探っていきました。

そして私は子どもと遊ぶこと、子どもと関わることはお金になるならない関係なくずっとやっていたい、ずっと続けられることだな、という結論になりました。またライフスタイルは、昔から漠然と海外を転々としたい。実際にそれをやってみたらとても心地が良いものだったので、移住はしなくても、海外で生活する時間が欲しい、私の人生の中で異文化に触れる時間を当たり前にしたいと思い、両方が叶うことを探しました。

「保育・海外」などを検索し、保育系の留学などを調べていたところ、モンテッソーリ教師がヒットし、教師の求人もあったことから、モンテッソーリ教育を学ぶことにしました。

モンテッソーリ教育については、教具を使った感覚教育というくらいの知識しかありませんでしたが、実際に学び始めると教育によって世界を平和にする人間教育であり、大変奥深い内容の学問です。

小学生向けのモンテッソーリ教育の勉強をしたいのですが、日本にはトレーニングコースないので、留学する必要があります。働きながら英語を勉強して、それは叶えたい。今年47歳なので、そうですね55歳のときに海外でモンテッソーリ教師として働けるように逆算して語学の学びを進めてみようかな。

55歳といえば、少し前のサラリーマンなら定年する歳ですよね。その年齢から新しい仕事を始めるなんて、会社員の頃は想像できませんでした。いやいやもっと直近で今年のお正月ですら、数ヶ月先の未来を描くことさえできませんでした。仕事だけでなく人生が宙ぶらりんな状態でした。

この春に学生となり、授業が始まって、そして3ヶ月経ってみて、ぼんやりとしていた未来の景色の輪郭がだんだんハッキリとしてきた感じがします。ゴールが定まれば、それに向かって具体的に落とし込んでいくだけ、あとはもうやるだけ。

私は世界中の子どもたちと関わり、色々な国で暮らして、新しい体験を積み重ねる人生にしたい。そうやって自分の可能性を伸ばし続けたい。
キャリアの空白期間は自分の人生にとって大切なことを知るための時間になったように思います。やっとトンネルの先の光が見えてきました。

何をしたいかわからなかった時期がとても長かったけれど、なりたい自分になろうとすること、それができるのが大人の醍醐味であり、子ども時代はその基礎を作る時間なのではないかと思います。私は子どもの準備期間を援助する仕事ができるように精進してまいります。


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