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いい会社とは、人の気持ちがわかる会社のことを言う

みなさんにとって、「いい会社」とは
どのような会社のことですか?

約30年にわたって会社取材をしてきた私は、
いい会社の定義として、次の5つを掲げています。

上記の5つを骨格として、
いい会社の性格というか、
「あり方」を考えたときに、

「いい会社とは、人の気持ちがわかる会社のこと」と思うんです。

同じように、
「いい会社を目指すとは、
人の気持ちを分かろうと、努力する過程のことを言う」
のだと思います。

人の気持ちが分かる会社は、
社内外のコミュニケーションがよいだけではなく、
ものづくりやサービスや仕組みやマーケティングーー
いろいろなところにその思いが波及していきます。

人の気持ちが分かるから、放っておけないのです。

それが結果として業績にもつながります。

~  ~  ~


ところで、
いい会社って、にこにこ笑顔で、優しくて、楽しくて、
働く条件も良くて……って、
いいところばかり目につくじゃないですか?

だけど、肝心なのは、
ここにたどり着くまでの過程なんです。

私の大好きな旅館の女将さんが、
ふと口にされた言葉があります。
「明るい人ほど、大きな悩みを背負ってるものなの」

これなんですよ。

明るさや優しさが人並み以上あるところには、
人並み以上に努力してきた過程がある
んです。

しかも、人並み以上に視野が高いから、
悩みは尽きない
んです。

その悩みの中でも多くを占めるのは、
自分とは違う人の心を分かろうとすることだと思います。

どんなに優しくしても、
人が辞めていったり、
理解されなかったり、
時には裏切られたりして、
胃が痛くて、
やるせない思いをすることもある。

でも、人の心を分かろうとしてきた。
そういう会社がいい会社になっていくのだと思います。

ある意味、人を大切にしない会社のほうが、
経営者も社員も楽なはずです。
見えるものだけを追いかけ、
見えないものを理解しようとしなくていいのですから。


見えないものを追いかけるいい会社への道は、
実は、いばらの道です。
こちらのほうがよほど大変なんです。

だけど、人間力を伸ばせる、つまり人間らしい、
やりがいのある幸せの道でもあります。

決して楽じゃない。でも喜びがある。

人生の最後に、
あの会社で働けて幸せだったとかみしめられたら
どんなに幸せなことだろう、と思います。
人生の中で最も長い時間を過ごす場所なのだから。
この場所で培った人間力は一生の資産になるのだから。

いい会社とは、
人の気持ちがわかる会社のことを言う

いい会社を目指すとは、
人の気持ちを分かろうと、努力する過程のことを言う

いばらの道には、たくさんの花が咲き誇ります。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。



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