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寄り添うと言うこと

日本では、年間約1700件程度の婚姻が成立し、600件程度の離婚が成立している。法的に成立していない破綻した関係性を含めるとその割合はかなりの高確率だ。

料理とワインの相性について、ひと昔前は「マリアージュ」とフランス語で結婚を意味する言葉で表現されてきました。現在の世界のワインの関係者は「ペアリング」や「マッチング」という言葉を用いています。これも時代の流れなのでしょうか。

料理とワインの相性について考える時、人間に置き換えて考えると気になるのが互いの個性の主張だ。ワインが強すぎても、料理が強すぎても、いずれかの素晴らしい風味を殺してしまう。ソムリエとしては、料理に合わせてワインを選ぶ恋のキューピッドを果たすべきであり、合わないと思われるものを薦めることはしない。

しかし、「食堂の主人(restauranteur)」としては時に薦めることもある。というのは、もちろん故意に風味を殺すことを目的にするわけではない。まずはお客様に寄り添うということだ。赤ワインをお好みではないお客様にベスト・ペアリングだといっても美味しくは感じない。次の選択肢を提案するわけだが、そこで白ワインを選択するのであれば料理を少し白ワイン寄りにアレンジできれば理想だ。

互いが相手の特徴や個性を認め、そのバランスを見極めて寄り添えばお客様の口内で素敵な出逢いの演出を叶えられるはずだ。

人間関係も同じで自分の信じること否定されると攻撃に転じる事がある。相手を攻撃的に誹謗中傷するのではなく相手の立場を思い遣り、寄り添えば争いなど起こることはないのだ。

「衣食足りて礼節を知る」逆説的に考えると、衣食(=お金)に不安になると本来の性格を見失い、人は人を誹謗中傷、攻撃しかねない。現状のコロナウイルス禍がまさにそうだ。

少しの工夫で豊かな精神状態になることが出来るはず。怒りに打ちひしがれていても、美味しい物を食べていたら忘れてたなんて経験はないだろうか。せめて1食、1食を大切にペアリングなんて事を考えられる幸せを、またペアリングを考えて食事すれば豊かな精神状態になれることを忘れてはいけないと思う。食はそれだけ大切なのだ。

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