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ファーストアルバム「いちじく」解剖作業vol.2

こんにちは。
シンガーソングライターのSETAです。

前回から始めました
自分で自分の曲を解説して行くシリーズ。
よくよく考えると自分で自分を説明するのってすごく恥ずかしいプレイだったことに気づいた私ですが、時すでに遅し。笑

とりあえず、アルバム内の曲全て解説し尽くしてから後のことは考えます。

さて、本日はアルバム「いちじく」から
2曲目に収録されている「金魚鉢」について
お話ししたいと思います。

どんな曲?って方はこちらのページで試聴してからお読みください。( クリックでページに飛べます )

この曲は、19歳の時に書きました。
制作時期など、時期のことに対してかなり適当なわたしでもこの曲の制作日は明確に覚えています。なぜかと言いますと、この曲、実はセンター試験中に作った曲だからです。笑

センター試験といいますと、基本的な教科以外は選択式でした。例えば、世界史か日本史か。などなど…自分が高校で学んでいた科目の方を選択し、受験します。

しかし、その当時詰めの甘いわたしはなぜか全然学んでいない科目を選択してしまい、問題用紙を開いた瞬間に「わからん」の嵐。

「わからん」なりに、一応埋めてみようかなと努力してみたのですが、絶望的に「わからん」ことが判明すると、さっさと諦めて問題用紙の裏に落書きをはじめました。( わたしは運良く推薦で大学が決まっていたのでセンター試験はいわゆる「受けた」という体の為のものでした )

はじめは当時ハマっていたリアルな目の描写を書いているうちに、なんとなく言葉も書き始めました。問題用紙は何枚もありますから裏紙を最大限活用してやろう!くらいの気持ちで。

そうしますと、金魚を目線にした一つの物語になりました。(最初、それは「金魚が飼い主に禁断の恋をする」といった内容でした。)

しかし、金魚になったことも、禁断の恋もしたことの無いわたしは「恋」というキーワードで書き進めることに違和感を感じました。変な方向に背伸びしようとしてるな…と言ったところでしょうか。

そこで、ふと、金魚鉢とは意外と身近なものなのかもしれないと思い始めます。学校という、鉢。家族という、鉢。これから先、大学に進学したとしても結局そこは鉢なのだ、と思ったのです。

ちょうど、受験期真っ只中のあの居心地の悪さもあっだのだと思います。一足早く、合格通知をもらってから休み時間も勉強している友達の前で気が抜けなくなったのもそうですし、あの時期は学校のどこにいてもなんだか悶々とした空気が漂っておりました。

「結局この小さな居場所は鉢なのだ。」
「この鉢から、春になればわたしも飛びだせるんだ。」
そう考えれば、当時のわたしは非常に楽な気持ちになりました。だから、この曲は「恋」と見せかけながらもこの悶々とした気持ちへの「救い」の曲にしようと思ったのです。

そうして、出来上がったのが「金魚鉢」です。
よく、メロディのことで「どうしてこんなに転調するの?」とか「どうしてこんなに曲中にリズムを変えたの?」とか聞かれるのですが、メロディに関しては今も昔も「偶然」です。歌詞ができたらそれを口ずさむ…その時についたメロディがこれだったとしか言いようがない………。「偶然」だから、逆にボツになる曲が多いのはここだけの話。笑

ですが、あくまでもここまでお話しした話は
作者側の主張であって、皆さんが聴いた瞬間から、主導権は聴いた方にあります。なので、この曲を聴いた方から「恋の歌だね」と言われたり「葛藤の曲だ」と言われたり振り幅が結構広いのですが、それってわたしからすると大変嬉しいことなのです。

つまり、この曲は多くの人に聞かれることによって本当の意味で鉢から「自由」になれる曲なのだと。それは、とても音楽らしいことだな、と思いますし、19歳のセンター試験に起きた「偶然」にわたしは未だに感謝しています。

気に入った方は、こちらからダウンロードして携帯の鉢に閉じ込めてください。笑

以上、ファーストアルバム「いちじく」から「金魚鉢」の解剖作業でした。

SETA


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