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世田谷ボロ市の魅力を伝えたい、生粋の世田谷人

世田谷区民で知らない人はいないと信じたい

こんにちは。陰山です。
No.05を手に取っていただいた読者の皆様、ここまで飛んできてくださりありがとうございます。
こちらのnoteはまだ発展途上で、「世田谷」「十八番」「先達」がテーマであれば好きに書いてもらって構わないと編集長からお話いただきましたので、ちょうどこの時期にあるあの一大イベントは「世田谷」も「十八番」も「先達」も全てクリアしているじゃないか!と思い立ちPCに向かっております。

今年も残すところあとわずか。世田谷在住の方はこの年末年始の一大イベントを心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。
そう。「世田谷ボロ市」です。
ボロ市の歴史は古く…だなんて退屈な話をするつもりはありません。
ここでは独断と偏見に満ち溢れた、陰山的ボロ市の歩き方をご紹介します。
とはいえ3年ぶりの開催ということで、これからご紹介するお店は移動していたり、残念ながらお店自体がなかったりということもあると思います。
「話と違うじゃないか」と思われるのも悲しいので、ここから先は話半分程度で読んでいただけたら幸いです。

「ボロ市」は毎年12月と1月の15、16日に、No.05でインタビューをさせていただいたサイクリングショップツバサさん辺りから世田谷中央病院の先まで、ありとあらゆる店が立ち並ぶ、世田谷で一番大規模なお祭りのようなものです。
シティガール陰山はこのボロ市と共に生きてきたと言っても過言ではなく、開催されるこの4日間の曜日と天気を気にするくらい重要なイベントであります。

正直、何が楽しいのかはわかりません。どこもかしこも人、人、人。とにかく人で埋め尽くされるこの4日間。コロナ禍で(今年も中止かなぁ)なんて思っていましたが、ついに満を持して?開催されることとなりました。
「何が楽しいのか正直わからない」とほんの少し前に言ったばかりなのに、なぜこんなにワクワクしているのか、これもまた不思議です。そんな魔力の宿ったボロ市の陰山的歩き方にご興味のある方はこのままお進みください。

序盤はボロ市の雰囲気を味わおう

この辺りからポツポツとボロ市が始まります

せっかくなのでツバサさんから歩き始めます。
このエリアはよく言えば骨董品、エッジを利かせて言うなら本当にボロボロなものがお目にかかれます。青いビニールシートに乱雑に広げられた数々の商品は、目を凝らしてみるとたまに良いものがあったりします。
初見の方は驚かれると思いますが、この「ボロボロ、ガラクタ」こそがボロ市の魅力なのです。
もしかしたらこのボロボロエリアが”ボロ市とは何か”を一番味わえるエリアかもしれません。

この辺りにあるオカリナ屋さんは子供たちに大人気。よく見る横型もありますが、縦型のオカリナも置いてあります。私が小学生のころに買ってもらったオカリナ、あれどこに行っちゃったんだろうな。そんなに音量も大きくないし、小一時間は熱中して吹くので、お子様のいるお母さんにおすすめです。

また、ツバサさんの向かいにある「田代ビル」の前で作っている焼きそばは絶品です。この時点でお腹が空いていたらまだまだボロ市は始まったばかりですので、空腹を満たしてから歩を進めることが重要になってきます。

「ボロ市に来た!」を味わえるのはここから

さて。メインストリートとなる郵便局まで進み、頭上の大きな看板とくす玉を潜り抜けると、このエリアには美味しい食べ物がずらっと並びます。
焼きそばを食べ損ねた方はこの辺りで一度腹ごしらえをしてください。今はまだ、ボロ市の10%ほどです。
10%…?このペースではあまりの長文に皆様を飽きさせてしまう気がしてきましたので、一気に進みたいと思います。

代官屋敷付近はカテゴライズ化不可能

ちょうどボロ市通りの真ん中あたり

大食いの聖地「バーボン」を通り過ぎると、急に鼻をかすめる桐の匂い。代官屋敷手前に突然現れる、桐やひのきなどを売っているお店。手のひらサイズの桐のブロックからは「この体からこんなに匂いを発するの?」と問いかけたくなるほど香ってきます。芳香剤、消臭剤として、陰山家ではトイレに置いていました。香りが薄くなってきたらやすりで削ると復活。アレルギーがなければこちらもおすすめ。

今年は信用金庫側の道に物産展が並ぶ予定

左手にある信用金庫の小道を曲がり、天祖神社に向かって歩くと、お花や多肉植物がたくさん並ぶ植物エリアに到着。ヒヤシンスの球根がお値打ち価格!この植物エリアを抜けるとボロ市名物の1つ「代官餅」が売っています。ここでしか買えません。ボロ市玄人の方はこの代官餅を目当てに朝イチで向かう方もいらっしゃいます。ボロ市で一番の行列を作り、午前中にはなくなってしまう年もありました。

味は「あんこ」「きなこ」「からみ(大根おろし)」の3種類。「からみ」が一番人気です(陰山調べ)。1時間待つこともザラですが、ボロ市に来た記念土産にどうぞ。

今年も右奥にある駐車場で代官餅が売られます

ここで代官屋敷まで引き返します。代官屋敷の目の前に広がる近隣小学校PTAのお店は、オカリナと同様子供たちに大人気です。ママ達が手作りしたあれこれが売っています。
私の母もハンドメイドに精を出しコツコツ作っていたけれど、「売れ残っちゃった」と言いながら切ない顔をして持って帰ってきたタワシ。あれもどこ行っちゃったんだろうなぁ。

この代官屋敷から世田谷中央病院までの道は、とにかく活気に溢れています。なんだかうるさい。というのも、右手にはバナナのたたき売り、左手にはカラスを飼いならしたおじさんがいるのです。右に左に情報量が多すぎて、疲れてくるのもこの辺りからです。
にしても、真っ黒でちょっと怖いあのカラスを腕に乗せて得意顔のおじさん。この方、普段見かけることはないのですが、この辺りにお住まいなのでしょうか。ずっと気になっている方の1人です。


終盤は体力勝負。悔いのないよう歩き回ろう

右に曲がるとオシャレエリア、左に曲がると世田谷通り

いよいよラストスパート。世田谷中央病院までたどり着きました。突き当りを右に曲がると、ここ数年でできた新エリア「イマドキのオシャレ」なお店が並びます。ドライフラワーにイケてる古着。先ほどまでと打って変わって若い方がたくさん見受けられますがごめんなさい。
シティガールのくせにまだこのオシャレエリアが私の中に浸透しておらず、左手の方に戻ります。

ちょうど世田谷中央病院の向かい、「フタバ薬局」の辺りに、これまたボロ市名物の1つである「笹だんご」が現れます。
笹の葉に包まれたよもぎ餅なのですが、大きさもあんこの甘さもちょうど良い、これまたお土産にピッタリの一品です。
麻紐のようなもので笹だんごが1個1個つながっており、となりのトトロに出てくるあの笹包みの手土産のような、そんなビジュアルです。
「代官餅」に「笹だんご」に、どちらも同じようなボロ市名物ですが、代官餅を買い損ねた方はこちらの笹だんごをぜひお買い求めください。

笹だんごから世田谷通りに突き当たるまでの道は非常にタフな道のりです。今ご紹介した陰山の歩き方はスタンダートルートですが(多分)、もちろん反対側から歩かれる方もたくさんいらっしゃいます。ここは心を穏やかに。煮込みの匂いに身を委ねるもよし、自分でカスタムできる七味唐辛子を作るもよし。後悔のないよう、この辺りの美味しい食べ物を食べ尽くしましょう。


思い残すことはありませんか?お疲れ様でした

ボロ市から見える世田谷十八番の未来像

長々とお付き合いいただいた陰山的ボロ市の歩き方。「世田谷十八番となんの関係があるのか?」と思われた読者の方もいるかもしれません。
が、ただの思い出話がこんなに膨らむほど強烈な記憶として残っているのは、何年経っても同じ場所に同じものが置いてあるから、それに尽きると思います(何度も言いますが、今年は変わっているかもしれません)。
このお店の誰が、ということではなく、ボロ市全体がまさしく世田谷の先達であるような気がします。年々新たな店が増えていく様子も、バトンタッチを間近で見ているような気持ちになるし、人から人へと受け継がれていくボロ市の文化こそ十八番であると。
世田谷十八番が生まれた理由のひとつ「人生経験豊かな先達から十八番を拝借し、若い世田谷人に伝承すること」、これを体現しているボロ市から何かヒントをもらおうと、今年も張り切って行ってきます。

話半分で、と言いながらもボロ市への想いが溢れてしまって申し訳ありません。足を運ばれた際にはぜひ、自分だけのボロ市の十八番ルートを見つけてみてください。


「世田谷ボロ市」
日時:2022年12月15日(木)~16日(金)/2023年1月15日(日)~16日(月)
時間:9:00~18:00
場所:ボロ市通りとその周辺
住所:東京都世田谷区世田谷1丁目
交通アクセス・最寄り駅:東急世田谷線「世田谷駅」徒歩5分/東急世田谷線「上町駅」徒歩5分


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