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自社に眠るレバレッジポイントをみつける|事業再構築コース#3

SETA COLOR

こんにちは、「ネイバースクールSETAGAYA」の事業再構築コースを担当している高橋秀紀(通称:ヒデさん)です。8月から隔週で実施しているネイバースクールSETAGAYA、早いものでもう第3回を開催したので、その様子をお伝えします。

これまでの開催の様子はこちら↓

「売れる商品がいい商品」

事業再構築コース3回目のテーマは、「自社に眠るレバレッジポイントをみつける」。経営コンサルティングアソシエーションの岡村衡一郎様(以下 岡村さん)を講師にお迎えして開催しました。

事業再構築の「再構築」とは、お客様と事業の関係性を再構築することですが、その唯一の手段が「商品(サービス、製品)」です。

これまでの回を通して、事業再構築の骨格となる「現在の事業定義」と「これからの事業定義」を考えてきました。

事業定義は、「①誰の?(顧客)・②どんな役に立つ?(提供価値)」の2本柱。つまり、「お客様は変えず提供価値を刷新させる」もしくは、「お客様も提供価値も刷新する」の2パターンしか再構築の手段はありません。
※お客様だけ刷新して、提供価値は変えないというパターンでは事業再構築はできません。

いずれにしても「もっとお客様の役に立ちたい、貢献したい」という想いは、商品をお客様に買ってもらわない限り届くことはありません

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1997年に日本ではじめて販売されたエコカーの先頭打者、トヨタのプリウスは、従来のガソリン車(2L)と比較すると走行時で30%以上の二酸化炭素を削減できます。誰もが知っている環境貢献型の乗用車です。

でもこのプリウスも売れなかったとしたらどうでしょう? 環境に貢献したことにはならないですよね。プリウスも「売れたから」いい商品なんです。

少しばかり厳しいことを申し上げますが、事業再構築の観点では、「売れない、業績が悪化している」という状況は、「お客様や世の中の役に立つという度合いが低下していると捉えます。

売れる商品をつくる。

しつこいようですが、これが今回の大事なポイントです。

今週のチャレンジピッチ

今回もまずは参加者による「チャレンジピッチ」からスタート。

トップバッターは、どら寿庵の中島さん。

どら寿庵は、世田谷区上馬(世田谷通り沿い)にある真っ赤な外観が特徴のどら焼き専門店。どら焼きの「餡(クリーム、ジャムなど)」のバリエーションを増やすヨコへの品揃え強化か、どら焼きにはさむのは小倉(小豆餡)に絞り、大きさや価格のバリエーションを増やすタテへの品揃え強化か。どの方向に舵をきっていくのかが大きな課題になりそうです。

ご自身の事業に対する根源的な想いは、あんこ文化を継承することと親しい人にプレゼントしたいと思える特別などら焼きであること。お土産ニーズなのか? それともおやつニーズなのか? 今後の展開がとても楽しみです。

次は、un air japon の佐藤さん。
ウェディングプランナーの経験を活かして、「私も撮りたいと憧れる結婚式と写真を提供する」サービスにチャレンジ。従来の型にはまった結婚式や撮影のサービスではなく、二人らしい、二人だけの、二人の想い出を残す体験中心のサービスを構想しています。聞いていた参加者からは「結婚記念日にも繰り返し利用してもらえそうですね」というフィードバックも出るなど、可能性が広がりそうな期待感がもてるプレゼンでした。

商品に詰め込むべきもの

チャレンジピッチの後は、岡村さんの登場です。
突然、会場の模造紙に書き出したのは、

【自分 ー ●● ≒ 0】

「自分から何(●●の部分)を引いたら限りなくゼロになりますか? ひとりずつ答えてください」と全員に発言を求めるところから始まるという、ややサプライズな切り出しでスタートしました。笑

こんな質問、誰も予想も準備もしていないので、即答した参加者はほとんどおらず……。きっとこの問いかけの狙いは、答えを聞きたかったのではなく、「この問いの重要性」を印象づけたかったからでしょう。

この「●●」こそが自分らしさの本質。自分らしさをしっかりと商品に詰め込んで欲しい――それがこのあとの商品設計の前提であり、岡村さんからの最初のメッセージでした。

① 集客UPは「個数一番」商品を軸に考える
② 売上UPは「売上一番」商品を軸に考える

冒頭で紹介した関係性の再構築という視点で捉えると、

① 「個数一番商品」で、お客様からの量的な支持を得る
② 「売上一番商品」で、お客様からの質的な支持を得る

ということです。

「自分らしさ」をロジックに落とすには

「お菓子の家 SWAN(以下 SWAN)」という実際にある洋菓子店を例に、解説してもらいました。

SWANの個数一番商品は、ロールケーキです。このロールケーキの価値を客観的に整理すると、

  • 本来的機能価値=スポンジの美味しさ
    → 1500通りのレシピの中から最適な焼き方を選択

  • 付加的機能価値=ロールケーキの食べやすさ
    → 切り分けたらみんなで食べられる

  • 本来的感覚価値=ヘルシーなお菓子
    → 自然素材を使用する

  • 付加的機能価値=シンプルな見た目
    → ロールケーキならではの素朴な仕上がり

これらの価値を統合したSWANのメッセージは、以下の通り。

「スポンジの違いを味わってください」
おいしいケーキはスポンジで決まります。今日にぴったりの焼き方を1500通りのレシピから選んで焼き上げています。ふわふわの後に幸せの余韻が残ります。

岡村さんの資料より抜粋

美味しいものをお客様に届けたい。
これは食べ物に携わる事業者の共通の想いであり願いだと思います。ただ、美味しいで終わるのではなく、「美味しい」をかみ砕いて具体的に定義することがもっと大事です。SWANの場合は、美味しさを「毎日食べても飽きない、末永く愛される味」と定義しているとのこと。

  • SWANはスポンジが得意

  • その得意を最大限に活かした商品がロールケーキ

  • ロールケーキはスポンジが中心で、スポンジを直に味わえるお菓子

  • だから個数一番商品としてロールケーキを磨いている。
    ……とてもシンプルなロジックです。

でも、このロジックに行きつくまでには紆余曲折があったのではないかと思うのです。例えば、有名店と自店を比較して、不得意なものや足りないものばかりが気になってしまうこと。気が付くと得意なことを磨くよりも、弱点の克服に注力してしまい、結果として自分らしさを見失ってしまうこと。

前回の講義で藤原さんから学んだ「目の前の仕事に全力を尽くし、お客様に提供する価値を追及していく、その度合いと継続が大事」ということにも通じる話でした。

「想いを込めた自分らしい商品づくり」は事業再構築における方法論のど真ん中。参加者のみなさんにも、自身に問いかけつづけてほしいと思います。


文=高橋秀紀(ネイバースクールSETAGAYA・事業再構築コース ディレクター)

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