河瀨直美(映画作家 / なら国際映画祭エグゼクティブプロデューサー) - 観光の真ん中で「文化の祭典」を構築する
観光の真ん中で文化の祭典を
私は奈良で生まれ育ち、世界遺産である東大寺や興福寺が小さい頃からの遊び場でした。神さまのお庭ともいえるひらかれた境内に鹿が暮らし、そことの垣根なく人も暮らしている。領域が曖昧であるのがとても魅力的です。でも、たとえば春日大社のお祭りは880年以上続く行事であり、一般の人はなかなか関わることができません。装束を着けて馬に乗るような人はごく少数で限られています。そこで、町で暮らしている人が関われる参加型のお祭りができないかと考えました。私が映画創りを