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RTA in Japan Summer 2023 「たまごっちのプチプチおみせっち」エピソード0

ピッチリ バッチリ ベリマッチ。

「たまごっちのプチプチおみせっち」(以下、おみせっち)走者のせせりです。
普段はYouTubeでRTAの解説動画投稿と配信活動を行っています。

この記事では、おみせっちのRTAを始めるに至った経緯と、今回のRiJに採用されるまでのあれこれについて書いていきます。

せっかくの機会なので、僕とRTAの馴れ初めについても書き記そうと思います。


2016年

1.RTAとの出会い

当時高校生だった僕は、ニコニコ動画のヘビーユーザー、いわゆる"ニコ厨"でした。

学校以外のほぼ全ての時間をあらゆる動画の視聴に充てており、その中で"biimシステム"と呼ばれる形式のRTA解説動画を発見します。

RTAの存在は、この時に初めて知りました。
当時はRTAと「TAS」の違いをあまり理解できていなかった記憶があります。

ちなみに、人生で初めて見たRTAはモンハン4GのRTAでした。


2017年〜2022年3月頃

2.ひたすらゲームやってた期

グラブルとFF14にどハマりします。

グラブルのおかげで、二度とソシャゲには手を出さないと決心できました。
ありがとう。
ドグー氏ね。

この頃にYouTubeでRTA in Japanのアーカイブ動画を発見し、RiJの存在を知ります。


2022年

3.初めての動画制作

ゲーム熱が冷めてきた4月、兄からお古のPCを譲ってもらい、昔から興味があった動画制作に手を出します。

初めて作った動画は「スプラトゥーン2、FF14説」というトチ狂った動画(黒歴史なので現在は非公開)でしたが、この動画制作を通して、創作活動の楽しさを知ります。

黒歴史動画のサムネ

4.走者デビュー

5月、せっかくなら、もっと多くの人に自分が作った動画を観てもらいたいと思い、「自分自身が興味ある、なおかつウケそうな動画ジャンル」について考えた結果、"RTA解説動画"に辿り着きます。

そうして完成したのが、記念すべき1作目のRTA解説動画「Wii Party スゴロク(Board Game Island)」RTAです。

初めてのRTAだったので「短時間で終わり、なおかつ思い入れがあるゲーム」を探した結果、Wii Partyのスゴロクが真っ先に思い浮かびました。

いざ練習を始めると、このゲームをみんなで遊んでいた頃の事をふと思い出し、「なぜ僕は1人でパーティーゲームのリセゲーをしているんだろう」とセンチメンタルな気分になり、RTAの辛さを体感します。

その後、「Wii Sports」のAll SportsカテゴリのRTAにも挑戦し、本格的に"RTA解説動画投稿者"として活動し始めます。


5.RTA in Japanに初応募、そして落選…

8月、「RTA in Japan Winter 2022」のゲーム応募が始まり、ちょうどその頃に解説動画を制作していた、「スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール」のAll Charactersカテゴリで応募します。

やはり、RTA走者の端くれたるもの、RTA in Japanというイベントに出場してみたいと思うのは自明の理であり、解説動画用に録画した、当時日本語版で世界1位記録だったランで応募します。

結果は落選。トホホ。

しかし、今回の応募をきっかけに初めてちゃんとRiJを視聴し、RiJでは基本的に「人が解説しながらRTAを走っている」という事を再認識できた、という成果もありました。

「人が解説するなんて、そんなの当たり前じゃんアゼルバイジャン」と思うかもしれませんが、これまでの僕にとってのRTAは、biimシステムを使った"編集済みの解説動画" が全てで、それ以外の形式のRTA、例えば「RTA配信」等にはほとんど触れたことがないことに気付きました。

今回の落選を通して、もっとRTAについての知識を深めたいと思うようになりました。


2023年

6.おみせっちRTA爆誕

1月、「パワプロ2020」の栄冠ナイン甲子園優勝RTAの動画編集をしながら、次はどのゲームのRTAを走ろうか考えていました。
こいついつも野球要素が含まれるゲームのRTA走ってんな

せっかく年も明けた事だし、一念発起して新しいハードのタイトルに挑戦しようと思い、直撃世代であるニンテンドーDSで、RTAを走れそうなタイトルを探し始めました。

そして、RTA走者になりたての頃に走ろうとしたものの、DSの録画環境整備の難しさから断念した、おみせっちの存在を思い出します。

これが、おみせっちRTAの始まりです。

2005年9月15日発売

実は、サードパーティ製のニンテンドーDSソフトとして、初のミリオンセラー(約115万本)を達成しているおみせっち。

大手ゲーム実況者もプレイしているタイトルなので、1人ぐらいRTA走者がいてもおかしくないと思っていましたが、なぜか1人もいなかったので、自分でカテゴリとルールを整備して走り始めました。

作ったカテゴリは2つ。

1つは、今回のRiJS2023で披露する「全店ゴッチー」カテゴリ。いわゆるAny%みたいなカテゴリです。

もう1つは、全てのお店を最高ランクにする「全店ロイヤル」カテゴリ。
こちらは、100%カテゴリみたいなものです。

シンプルにAny%・100%というカテゴリ名にしようとも考えましたが、「Any%」「100%」よりも「全店ゴッチー」「全店ロイヤル」の方が語感が面白いと思ったので、このように名付けました。

走者0人ということで、当然チャートやテクニックなどのノウハウも全く無い状態だったので、まずは「パートナーとして選べるまめっち・めめっち・くちぱっちの3キャラに、性能差はあるのか?」という基本中の基本の検証から始めました。(性能差はありませんが、とある理由からRTAではまめっち一択)

完全に1からRTAの勉強をするのは初めての経験(栄冠ナインRTAですら先駆者がいた)でしたし、何よりおみせっちをプレイするのも15年ぶりとかだったので、諸々の検証・研究にはかなり苦戦しました。

そんな中、初めて通した全店ゴッチーのタイムがこちら。

Any%(迫真)


おっそ!!!!

今の自己ベスト記録よりも25分以上遅いです。
RTA中にコンビニでも行った?


7.配信者デビュー

2月中旬、Twitchで配信を始めます。

Twitchで活動し始めて一番驚いたのは、おみせっちのカテゴリーが存在することでした。

あるんだ

配信を始めて2週間が経過した3月2日、「RTA BootCamp」というイベントで、おみせっちを走らせていただく機会を得ます。

正直なところ、初配信から2週間しか経ってないひよっこ配信者の、(当時は)全くタイムが詰められていないタイトルが採用されると思っていなかったので、採用された嬉しさよりも焦りが勝っていました。

視聴者の皆さん、サポートしてくださった運営の方々、その節はありがとうございました。


8.ケーキ屋さんの闇

RTA BootCamp終了後も自己ベ更新を目指し続け、1:27:53を出したところで解説動画を投稿します。

この頃の僕は、おみせっちRTAの最適化が進んできた事に感動を覚えながらも、今まで目を逸らしてきたケーキ屋さんと向き合わなければいけない時が、近づいているのを感じていました。

そもそもこのゲームのRTAは、運によってタイムが変動しやすいRTAです。

全9種のミニゲームのうち、完全な実力ゲーと言えるのはたこ焼き屋さんだけで、残りの8種には全て乱数要素があります。

その中でも、特に乱数要素が強いミニゲームがケーキ屋さんでした。

当時のケーキ屋さん区間は、どうあがいても最高評価が取れないケーキが存在しており、これらのケーキを注文されると無条件で30秒以上のロスが確定するという、ロシアンルーレットみたいな状態になっていました。

この最高評価が取れないケーキというのが、「げんきケーキ」と「ふらわーケーキ」と呼ばれるケーキです。

げんきケーキの正式名称は「かきぞめケーキ」

これらのケーキで最高評価を獲得するために、長い時間を費やしてケーキ屋さんの判定について様々な検証を行いますが、攻略の糸口を掴むことさえできませんでした。

5月、1:26:24の記録を出して自己ベストを更新します。

このタイミングで一度全店ゴッチーカテゴリを離れ、全店ロイヤルカテゴリや、おみせっちシリーズ第2作である「たまごっちのプチプチおみせっち ごひーきに」のRTA、RiJS2023にも採用されている「スプラトゥーン3」のRTAなどに手を出します。

ふらわーケーキとげんきケーキから逃げるな


9.おみせっち採用

この更新とほぼ同じタイミングでRiJS2023のゲーム応募が始まります。

今回は当然、おみせっち全店ゴッチー・全店ロイヤルRTAを送り出します。

おみせっちRTAはそもそもゲーム自体の絵面が面白く、解説動画に付いたコメントも過去一の多さだったので、前回より自信を持って応募しました。

おみせっちを知らない方向けに丁寧に書きました


全店ゴッチーの方を採用していただきました。
ありがとうございます。

当初は、おみせっち全店ゴッチーと「Pineapple on pizza」の100%カテゴリで応募していましたが、何か違う気がして変更しました。

おみせっちではなく、島民の最期を見届けるRTAを走っていた世界線があったかもしれませんね。

当選後、1ヶ月ぶりに全店ゴッチーカテゴリに復帰しますが、全店ロイヤルをずっとやっていたのでプレイの感覚は失われていませんでした。

しかしRiJに出場するとなると、流石にふらわーケーキとげんきケーキを無視するわけにもいかず、ケーキ屋さんの研究を再開します。

この研究がケーキ屋さんに革命をもたらすことになるとは、この時の僕は知る由もないのでした…

続きを書きました。

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