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【巨人の肩の上から #0】 -すきな言葉の備忘録として

「それでも、この世界は生きるに値する。多くのものに出会い、学び、傷つき、いつかこの世界のどこかの片隅に、自分だけの居場所を見つけるのだ。それはな、何にも代え難い、素晴らしい仕事だ。どんなに苦しくとも、やる価値のあることだ」

王城夕紀『マレ・サカチのたったひとつの贈物』 p.273

アウトプットが足りない!!!

ということで、140文字よりも長い文章を書く練習をもっとしなければならないという危機感から、定期的に(最低でも週1を目標に)noteを更新することにしました。もしよろしければ定期便のような感覚でお読みください。
毎週ゼロから何かを生み出すのは大変なので、形式を定めることにしました。読んだ本の一節、好きなRPGや漫画のセリフ、古典や偉人の名言や名文、とにかく何かからの「引用」を冒頭に行い、それについての文章を書くというフォーマットです。
回によって真面目で堅苦しい本を引用して真面目で堅苦しい内容を書くもの(同時公開の#1がそれ)もあれば、RPGや漫画の登場キャラクターのセリフを引用して推しについて語るものもあるという感じで、雑多にやっていこうと思います。今回は王城夕紀さんの小説『マレ・サカチのたったひとつの贈物』から。美しい文章と、主人公がさまざまな場所で出会う多くの人物についての透き通るような描写が印象的な、私の大好きな小説の一つです。

さて、時折、科学とは「巨人の肩の上に立つ」営みだと言われます。ひとりの人間ができること、考えられることはごくわずかだからこそ、先人たちが紡いだ知識、考え、そして言葉という「巨人」の肩の上に立って世界を見るわけです。言い換えれば、先人たちが積み重ねてきたものの上に、小さなものをまたひとつだけ乗せることができたら、それはひとりの「小人」ができる唯一にして最大の貢献だということです。だから、学者は偉大なる先行研究に敬意を示し、その「巨人」のなかから言葉を「引用」し、何か新しい言葉を生み出そうと奮闘します。

私もまた、わずかながら、巨人の肩の上から、誰かが生み出した素敵な言葉をお借りして、自分だけの文章を作れたらと思います。インターネットという媒体の上ではありますが、この世界のどこかの片隅に、私の言葉が居場所を見つけられますように。

2022/03/15


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