つぎはぎ (詩)

つぎはぎの記憶に

ぽつりぽつり

空想がまじって

あゝ子どもの頃

たしかに僕ら

小鳥のように

毎日銀河を巡回しました

月のすみに

木の枝と枯れ葉を敷いて

秘密基地をつくり

うまい棒を食べながら

秘密会議を開いては

悪人たちと大戦争

怪獣どもをやっつけて

悪霊どももしりぞけて

僕らが地球の平和を

守っていました

海の上を歩く一条の光線

素直でしなやかな

友だち想いのこころ

縁側から見える里山

それらの途方もない片田舎は

全て小さな大宇宙

そのなかでお父さんとお母さんに

守られながら永遠をよろこんでいる僕ら

あゝそうです、僕ら

あたりまえに愛し合っていた夕焼けの日々

何者になっても良い 何者にならなくても良い

ただ透明な朝がおの日々

素直に甘えて、思う存分の愛情をもらって

世界は愛と光に満ちているのだと

素直に思っていたんです

悪意を持つものは誰もいない

指さきは夜空の星を数えているだけ

こぼれて揺れる笑顔は

たとえようもなく無邪気で

つぎはぎだらけの思い出は

いつでもそうやって開かれるのです

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